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小学校3・4年生を境に脳疲労が高まるトレーニングが増えるはずでは? 【発育発達編03/僕の仮説07】

教育界では「9歳の壁」、「10歳の壁」という言葉がある。

そのくらいの年齢から他者をすごく意識し始めるため、チャレンジして失敗することを恥ずかしがる気持ちが強く出始める。だからこそ9歳、10歳までの好奇心旺盛な、まだ恥ずかしい気持ちをさほど持たない無邪気な間に「どんな価値観を養うか」が大事だ。

熱中することの楽しさ。
試行錯誤する喜び。
言葉を通じたつながり。
表現で得られる満足感…etc.

おそらく小学校3・4年生までにこのような価値観、人間力の土台を築くようなものを育むように、サッカーコーチはアプローチする必要がある。間違いなくコーンドリブルのような練習では、ポジティブな人間力を身につけさせようとしても難しい。また会話がなく、コーチが「これ、これ、こうやるよ」と一方的な説明の上で練習をしても子どもに喜びはない。

私は、小学校3・4年生までは「サッカーがうまくなるトレーニング設計」というより「サッカーを通じて心や頭や体にたくさんの刺激が与えられる設計」のほうが、「徐々に思考力が身についてきたときにサッカー選手として伸びるのではないか」と指導現場に立つ一人として実感を持つ。

子どもが試行錯誤できるようなゲーム性の高いトレーニングを考案するか。一人ひとりが言葉にできるようにコーチが問いかけているか。子どもが自由に表現するような雰囲気を作り出すか…。そういうジュニア指導の根っこにあるものは「その日の自分を出し切らせること」にある。これは身体的な意味と心理的な意味の二つがあり、両輪が達成できて選手としての成長があると考えている。

「サッカー選手に必要不可欠な5つの要素」を紹介したとき、それぞれが重なり合ってつながっているものだと説明したが、心と頭(脳)と体は同じ人間の中で同居している存在で関連しあっているものだ。心がウキウキするときは頭が活性化されているし、頭の働きがいいときは体の動きもスムーズになる。逆に、心が沈んだときは頭の機能が停止し、なんだかエネルギッシュに動けないようなことがある。

だから、私はサッカーに限らず、ジュニアスポーツの練習は終わったときに身体疲労と脳疲労の両方がなくてはならないというのが「僕の仮説」だ。

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写真提供=佐藤博之

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