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サッカーのチームづくりはサッカーならではの特殊条件を加味する必要がある。【個とチームの関係01/僕の仮説30】

サッカーはチームスポーツだ。

この普遍的な事実から「個人がどう存在したらチームにプラスをもたらすのか?」を紐解く。これが、街クラブスタッフとして向き合うべき第一段階だと考えている。多くのサッカーコーチ、あるいはクラブ経営者はチームスタイルや練習内容など、いきなり一足飛びで「サッカーチームづくり」という山登りのスタート地点にたどり着こうとするが、何の準備もなく走った結果が非常事態に対応できなかった現状の街クラブである。

コロナ禍の初期段階に街クラブに起こった現実を忘れてはならない。

私は、そう考えている。それは「選手に起こったこと」ではなく、街クラブに、そしてクラブの代表者に起こった現実である。日頃から選手にチームの重要性を説きながら、非常事態宣言直後にクラブのコーチスタッフに起こったことは崩壊に近かった。「自分たちはチームだ」と胸を張って言える街クラブがどれだけあっただろうか? 多くの代表者がすべての問題や悩みを抱え込み、誰にも相談できない現実を私はコロナ禍の初期段階に数多く間近に見てきた。

街クラブのチームづくりとは「選手をチームにすること」と「コーチをチームにすること」と二つの使命、つまり考え方の軸が存在する。

欲をいえば、良いジュニアクラブにはコーチや選手をサポートしてくれる「保護者チーム」がある。ここはクラブの経営形態によって違うため、この「僕の仮説」では軸として加えない。しかし、クラブ運営を行う上で保護者チームの存在は、現時点でなくてはならないものである。だからこそ私はクラブ側から保護者に対して、少なくとも年に一度はクラブ哲学や指導方針、それに関係するチーム状況と今後の具体的なトレーニング内容に関する考えを資料にまとめて報告することが義務だと思う。

それがクラブに対価を支払ってくれている保護者への礼儀だと認識している。どんなに小さな街クラブであっても、経営とはそういうものだ。暗黙知のなかで「わかってくれるだろう」とクラブ運営を続けることは代表者やコーチスタッフの怠慢であり、甘えでしかない。

クラブに関わってくれる人たちすべてに誠実に向き合うことこそ「チームづくり」の根幹であり、スタート地点である。

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写真提供=佐藤博之

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