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子どもの発育発達に重要な視覚と聴覚を鍛えたサッカー指導の重要性。 【発育発達編04/僕の仮説08】

ジュニアサッカーの指導は、子どもの発育発達に応じた成長と切り離すことはできない。

日本では、よく考えることが大切だと主張される。ならば、現場のコーチもそういった世界的な共通認識を持っているのなら思考力、もう少し突っ込むと「脳にどれだけたくさんの多様な刺激を与えるか」というアプローチが小さい頃から重要になることを深く理解すべきだ。

「脳への刺激」をテーマにすると、どんなアプローチがあるだろうか?

単純に五感で仕分けするとイメージしやすい。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。プレーに直接関係するのは視覚、聴覚、触覚の3つ。さらに脳に刺激を送ることに焦点を絞ると、視覚と聴覚の2つになる。私は、この2つがサッカー理解とプレーにおいて最も大切な土台を形成する項目だと思っている。それはこのように解釈しているからだ。

視覚=ピッチ上の情報を正しく認識する
聴覚=言葉を介して戦術を理解、共有する

ここ数年は視覚、つまり「見る」ことへのアプローチが標準化してきた。JFAのC級コーチライセンスのテーマとされ、様々なスポーツ現場でも「認知」という言葉で子どもにその重要性を唱えるようになった。ジュニアサッカーのコーチも然り。

もちろん、十分に「認知に対する正しい理解が深まっているか?」と問われたら疑問を抱く。しかし、2018年時点で、私がこれをジュニサカの特集で扱ったときの反応はさっぱりだった。今も、横浜のカフェで編集長とともにほろ苦い思いを語ったことを覚えている。ただ、たった3年足らずの間でジュニアサッカーでも一般化しつつあるのは「サッカーの進化が早い」ことの裏返しだ。

だからこそサッカーの正しい学び方は大事になる。「認知」については、今後トレーニングをテーマにしたときに深掘りするので、今回は「思考力」に大きく関わってくる聴覚について書き進めたいと思う。

人間は言葉を見て覚えるのではない。

小学校低学年くらいまでは耳で言葉を覚える。これは思考力と深い関わり合いを持つ。子どもは言葉の意味が具体的に理解できるようになればなるほど、コミュニケーションにおいて前後関係や文脈を自分なりに深く解釈できるようになる。

だから、子どものサッカーの学び方は算数の勉強と学ぶ順番が似た仕組みになると、私は考えている。学校教育では、小学校3・4年生くらいから文章問題や図形問題が徐々に増えていく。つまり、思考力の向上とともに暗記すれば解ける問題から考えて解く問題に切り替わる。

サッカーも同様で、小学校3・4年生くらいまではプレーに必要な言葉を覚え、それに伴って基礎的なプレーの仕組みを習得することが大事だ。同時に見ることの必要性を問い、認知へのアプローチを行った結果、ようやく次のステップとして小学校3・4年生くらいからコーチが戦術的にサッカーへの理解を子どもに求め、チームと個々に対してより深くプレーを指導していく進め方がベストだと思う。

私はここまでサッカー的に「子どもの発育発達に応じた指導(教育)」を自分なりの解釈で綴っているが、人間教育としてわかりやすく記したおもしろいコラムがあるので、機会があれば一読してみてほしい。

そして、ここから先の有料記事では「聴覚=言葉を介して戦術を理解、共有する」に対して、昨年、私が密かに実践指導で試した経験があるため、この「#僕の仮説」で公表したい。

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写真提供=佐藤博之

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