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人がサッカーをプレーする以上、モチベーションのコントロールが必要になる。【個とチームの関係09/僕の仮説53】

■人の行動貯金をどう増やすか?

人は機械ではないから、行動するときに感情的な理由が必要になる。

例えると、「行動貯金」とでも言うべきだろうか。別の言い方をすると「モチベーション」とも呼べる。

当然、貯金がゼロになれば心身を削った行動になるため、それが無限に続くことはない。借金は返すことが世の道理であり、増え続けたら破綻をきたす。

行動貯金が生むものは心の余裕とでも言うべきだろう。余裕は視野を広げ、自らのアイデアの源泉に潤いを与え、自らの可能性を信じられるから他者の意見も傾聴できるようになる。スポーツ選手に限らず、人としてもプラスにしか働かないだろう。

昨今、褒める指導が叫ばれるようになって久しい。多くのコーチが「どう褒める指導を解釈しているか」は知る由もないが、私自身が大きなメリットを感じるのは3つ。

・良いプレーの価値観を広げられること
・良いプレーの基準を作っていけること
・良いプレーの解像度を高められること

選手はコーチに「いいプレーだ」と褒められたら、次もそのプレーを目指したくなる。その褒めた内容がチームに関することなのか、個人に関することなのかはコーチ次第だが、悪いプレーばかりを指摘され、選手が安パイに逃げるプレーばかりをするようになるよりは褒めたほうがいい。

いわゆる昔ながらのスポ根がいまだに根強く残る理由にそういうコーチは自分がその中を過ごし、続けてきた経験がある。その過程の中で辞めた人たち、ベンチを温め続けてきた人たちの気持ちを考えたこともないコーチが、現代の子どもにも同じことを行っている。

もちろん反面教師で「だからコーチになった」と子どもたちの主体性を重んじて指導にあたっているコーチもいるが、やはり絶対数でいえば前者のほうがまだまだ多いのが現実だ。こういうと無責任な発言だと怒られそうだが、どうせ何もわからないなら「褒める指導」をやりつつ、少しずつその意味に向き合ってほしい。

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