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クラブはチームにも選手にも目に見える報酬、見えない報酬を与えなければならない。【個とチームの関係04/僕の仮説33】

チームの成長に個人の成長は欠かせない。

これは理に適った理論である。日本のジュニアサッカーでは、まるで「個人とチームが区分けされたような議論」が巻き起こるが、そのような状態に驚きを隠せない。

なぜ区分けするのか?

あくまで私見だが、日本のジュニアサッカーで「個人とチームの関係性」を客観的に理解しているコーチは少ないように思う。たとえば、チームが負けると「連帯責任だ」と長いこと説教をしている様子をよく見かける。

その話に耳を傾けていると、次の試合に向けて問題が改善・解決されるような内容は聞かれず、「あれが悪い」「このミスが原因」などと指摘ばかりが言葉として羅列され、それが永遠とループしていることが多い。

ミスは仕方ない。

でも、「ミスをミス」と指摘することはとても大事なことだ。それは個人が責任感を持つことが「チームの帰属意識に関わる」からだ。ただし、指摘した後にミスした選手だけでなく、「まわりの選手がどうプレーすればよかったか?」を理解することが同時に重要なことである。

それはサッカーがチームスポーツであるからだ。

本人と周囲の選手とでチーム全体がやるべきことを共有できれば、次から似たシチュエーションに出くわしたとき、解決のアイデアが浮かぶ。そこで良い方向へとプレーを進めることができれば、チームにとって過去のミスが生かされたことになる。これが成長ではないだろうか。

こうやって何度も「個人からチームへと少しずつ物事を発展させる」ことを繰り返しながら、チームは形作られていく。そして、ある程度チームの形ができてくると、次は個人のミスが目立つようになる。

技術不足。
戦術理解不足。
体力不足…。

人間はズルい動物なので、自分の未熟さを隠す。しかし、未熟さから逃れられない状態に追いやられたらやるしかない。そこで、個人に「どう気づきを与え、意欲をもたらせられるか」がコーチの腕の見せどころだ。そういうときに個人の支えになったり成長のために利用できたりするのが、チームの存在である。

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写真提供=佐藤博之

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