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その履歴書、本当に送りますか?

初めまして、カナダのトロントを拠点にしているマーケターの端くれ、いしかわ (@zukai_mama) です。

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過去にはベンチャー企業で人事採用なんかにも携わっていた経験があり、延べ500通以上の履歴書や職務経歴書は拝見してきたと思います。

人事領域を専門にされている方に比べれば、ミジンコみたいな数だと思いますが、それでも採用側と応募側の両方の側面を見てきた経験から日本の履歴書について「そもそも」を考えていきたいと思います。

▍そもそも履歴書って誰が決めたフォーマットなの?

一般的によく見る「履歴書」は、1953年(もう70年も前!)に日本工業規格 (JIS) に認証されたことによって、「標準」として扱われ、採用に関する全国共通ルールとして広まりました。

きちんと大学に通い、採用は一括新卒採用。
浪人・留年? 例外です。
大学出てないんですか?非正規雇用?短期間での退職?転職回数の多さ?育児でのブランク?子育て中ですか?結婚適齢期の女性? 論外です。

と言わんばかりの体裁を持つ「履歴書」は、あくまでも「標準的な」生き方をする人のために作られたのです。良くも悪くも「同調」を好む日本らしい「標準」が出来上がったと言えそうです。。

しかし職務経歴書に関しては、このJIS規格が定められていないため、履歴書に比べて比較的自由度が高い_というわけです。

▍そもそも履歴書って要る?

そもそも履歴書と職務経歴書で人事担当者はその「人」を判断できるんでしょうか?

答えは「ノー」ですね。人事のプロに聞いてみてもきっとほぼ答えは同じなのではと思っています。人事担当者のその多数は履歴書通りの人に会ったことなんてないんじゃないでしょうか?写真ひとつ取ってみても、「え、これ同一人物?!」という人が多いですからね(私も人のこと言えませんが・・!汗)

これは日本の履歴書に限った問題ではありませんが、履歴書の最大の問題は「自己申告」だということです。

明らかな嘘を書く人はまずいないとしても、実績などの項目については、同じ仕事でも書く人によって書き方が100通りにも変わりうる部分だからです。自己評価と上司の評価、もしくは同僚の評価が異なることは往々にしてあるものです。

では人事担当者が面談の前に履歴書や職務経歴書を確認したい理由はなんなのか。それは「スクリーニング」です。

会社の採用規模によっては何十万通もの応募書類を手作業で確認するわけにはいかないので、明らかに募集内容から外れるものをふるい分ける必要があるんですね。その作業効率化のために「同じフォーマット」であることが好まれている_と言えるんじゃないでしょうか。

でもそんな中で選ばれるためには人と同じことをしていては意味がないですよね。

(余談)筆者の個人的な感情としては「そもそも新卒一括採用こそ変革のとき」と思っているのですが、ここを語り出すと長くなるのでまた別の機会にしたいと思います。

よって、履歴書の存在価値はあるわけです。が、その内容は人それぞれで異なっていていいはずで、むしろ異なっているべき_と筆者は考えています。

次項ではその理由についてまとめます。

▍履歴書を個性化するべき理由

「出る杭は打たれる」ということわざからも見えるように、日本には昔から「同調圧力」なるものが存在し、目立つことはするな_が基本です。

髪色はみんな揃って黒。面接はリクルートスーツ。髪は一つに結う。

これを「標準」というのが日本です。

どうしても入りたい会社が「標準」を好む会社なら、そこは黙ってその暗黙のルールに従っておいた方が「スクリーニング」で落とされる可能性は低くなります。あるいは、「とにかく無難な人を雇いたい」と思ってる会社ですね。

が、だとしても一度、履歴書の本来の目的を考えてみましょう。

履歴書は「自分のプレゼン資料」ですよね。言わば、ホワイトペーパー

自分を売り込む際に、みんながそうしてるから_という理由で同じフォーマットを使うのってかなり戦略としては微妙だと感じませんか?

要は、「自分」という人財(商品)を採用(購入)してもらうことで、応募先企業(クライアント)のどんな課題に対しどんなソリューションを提供できるのか_をまとめた資料であるべきということです。

その点を踏まえると、年齢や性別、学歴や就職先の会社名なんて大したことない情報だということに気づきます。もっとも重要なのは実績です。すると履歴書って必要ある?と感じてくると思います。

さらに、多くの企業は「クリエイティビティ」をもった人財を求めています。(もちろん異なる見解を持つ企業や部署があることも事実です)

ここでいうクリエイティビティとはいわゆる「デザイン」のスキルのことではなく「創造性」を意味します。

セールスなら「コロナ禍のリモート営業の新しい手法」、
マーケティングなら「斬新な広告キャンペーンのアイデア」、
人事なら「攻めの採用戦略」などを0→1で考案できるスキルが求められているんです。

「他の人(競合)とは違う○○ができます」

それをきちんと履歴書に盛り込む必要があると思うのです。採用面接(商談)のアポをもらうためには、履歴書だけで相手の目を引かなければいけないわけですから、きちんと作り込む必要があるとすら思っています。

▍海外の履歴書の事例

名称未設定のデザイン

海外では幸いなことに「標準」となる規格がないので、こんな感じでかなり自由度が高いです。

例えばですが、わたしがもしGoogleに入社したくて、履歴書でスタンドアウトさせたいと考えるならこんな感じの履歴書を作るかもしれません。

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本当にこれで出すかどうかは別として、こういう発想が大切_ということです。

▍まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

ぜひ今一度ご自身の履歴書と職務経歴書を見直してみて、改善できる部分がないか検討してみてください!

そもそもフォーマット指定されていない場合、履歴書と職務経歴書が別々である理由もないので、せっかくなので自分だけのフォーマットを作り込んでみてはどうでしょうか?

▍最後に

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