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アマポーラ

わたしが知らないところで
わたしが気付かなかった時に
とてつもない彼方から戻ってくれないままの
遠い存在の君
わたしの目の前にいた
凛としたまなざしの女の子
光が透けるように華奢で物憂げで
風と陽にやさしく吹かれる
ヒナゲシの花のような君

ヒナゲシの君
すぐに君だとわかった
ヒナゲシの君
わたしの名前を呼んでくれた
君はどこからやって来たんだろう
もっともっと早く
わたしのもとへ駆けつけてきてほしかった
もっともっと大きな声で
わたしの名前を呼んでほしかった
 
花が太陽の日差しを愛するように
君は今も君らしく
どんな道を歩んでいても
君らしく 咲いていておくれ



※この詩は11年前に亡くなった初恋の人へ捧げた作品です。盆の送りに、ここへ記します。

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