都内初!!台東区が「とうきょうママパパ応援事業」多胎児支援メニューを導入!
こんにちは、多胎育児のサポートを考える会の市倉です。
本日台東区では「子育て・若者支援特別委員会」が開かれ、昨年から話し合われていた多胎育児支援についての報告がありました。
(↑「理事者報告事項」に「多胎児家庭への移動経費の補助について」)
●年間24,000円のタクシー料金を補助を決定
(↑https://www.youtube.com/watch?v=2E5lZQEdQ4g の12:20あたりからが多胎児家庭支援についての議論)
担当課長「多胎児家庭への課題として、同時に複数の子供の準備をしたり、公共交通機関の使い辛さから、外出そのものを控えてしまい、地域から孤立してうつや虐待リスクを高めてしまう。そのため、乳幼児検診などの母子保健事業へのタクシー移動を年間24,000円補助する事業を開始する。対象家庭は45家庭程度を想定している。」
とのこと。
これは、令和2年度から始まったとうきょうママパパ応援事業の『多胎児家庭支援メニュー』を使って台東区が実施する事業となります。
(↑とうきょうママパパ応援事業の(1)多胎児家庭支援事業 内の「移動経費補助」)
●多胎児家庭に共通する『外出のしづらさからの引きこもり・孤立』
昨秋実施した台東区の多胎児家庭に向けたアンケートでも、『タクシーへの補助がほしい』という声が圧倒的でした。
これは、現状都バスには双子ベビーカーは乗車できないなどの理由から外出のし辛さを多胎児家庭が感じているからです。
今回のタクシー料金助成は、こういった『多胎児家庭の声』を率直に受け止め、23区の中でも率先して多胎児家庭への支援に取り組んできた結果だと感じ、私は本当に嬉しく感じました。
●課題としては『精算方法』
課題として残るのは、そのタクシー料金の精算方法です。
委員会の中では、『タクシーのレシートをとっておき、四半期ごとを目処に区に申請・精算してもらう』との答弁がありました。
ただ、これはまったく現実的ではないと感じます。
申請のためレシートをとっておき、申請書に貼って、書類をつくる。ポストに行く。申請のために役所に行く。それは、毎日自分の睡眠時間を削りながら、子供を必死に育てている家庭にとって、さらなる負担になります。
これは怠惰ではありません。無理なんです。そこを行政の人にはわかってほしい。
(↑全国アンケートの回答。『思考することすら困難』『行けないんです』という声が並べられました)
ベストな方法は、タクシーに利用できる金券(こども商品券など)を24,000円分一括で渡すことだと思います。制度の主旨の『多胎児家庭を孤立させない』ということに照らし合わせても、設計の部分で結局使われない、ということは絶対に避けなければなりません。
この部分に関しては、高森議員と本目議員からも『合理的なやり方で』『多胎児家庭の負担を考えて』という指摘が入りましたので、改善が望まれます。
●他にも育児ヘルパー『あったかハンド』の大幅拡充も決定
他にも、台東区の育児ヘルパー制度である『あったかはんど』についても多胎児家庭へのサービス拡充(利用対象年齢・利用上限の大幅拡大)がなされ、委員会にて了承されました。こちらについては、区HPにて周知がされ次第再度お伝えします。
(↓現状の『あったかハンド』のサービス内容。7月より大幅にサービス拡充されます)
●まだまだ足りない理解。多胎児家庭にとって『外出』は命綱である
最後に一つ。この委員会を傍聴していて、大変残念なことがありました。
それは、ある委員から『台東区が子育てするんじゃないんだから』『やりすぎなのではないか』という主旨の声が複数上がったこと。
私は聞いていて、怒りで泣きそうになりました。
まったく、現状に向き合っていない。『子育てを社会で支える』ということを、全く理解されていないからです。
楽したいからタクシーに乗せてほしいと言っているわけではない。公共交通機関に乗り辛い中でも、睡眠不足で倒れそうな中でも、子供のために行かなきゃいけない健診も予防注射もある。交流会への外出だって、多胎児家庭にとっては『楽しむ』だけの側面ではなく、マイノリティゆえの情報格差を埋めるためだし、孤立を防ぐ効果もあります。
必要な外出に対して誰もが出やすい環境を用意できていないのは、社会の方。そこを今すぐ用意できないなら、今ある「タクシー」という資源を利用してもらう、というのは、『やりすぎ』でしょうか。私は全くそうは思いません。
台東区には、こんな無理解の声に負けずに頑張ってほしい。今までお会いしてきた職員の方たちは、みなさん真摯に声を受け止め、当事者にヒアリングをして、スピーディに制度を整えてきました。区民に『多胎児家庭を支援するよ』というメッセージを出してくれた台東区を、応援しています。
●多胎児支援に関しては台東区が他区を先導。他区もこれに続いてほしい!
昨秋秋からの国会・都議会での議論を経て、制度はかなり出来てきたように感じる多胎児家庭への支援。
子育て政策にアツい本目区議が多胎児家庭の声を聞き動いてきたこともあり、台東区は早くからアクションを起こしてきました。
この事業の受益者は、台東区の45家庭。まだまだ全然、足りません。
東京都内の議員さん、職員さん。
ぜひ、自分の自治体にいる多胎児家庭を支援して下さい。見えないかも知れないけど、声を上げられないのかもしれないけど、必ず自分の自治体にいます。
日々の活動については、Twitterにて報告しています。
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