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友人からの忘れられない言葉

こんにちは、多胎育児のサポートを考える会/フローレンスの市倉です。

私が多胎児家庭のサポートを始めたきっかけを以前このnoteに書きました。

このnoteはもう3年以上も前のもの。その後、私の友人の子どもは大きくなり、双子ベビーカー生活は終了しました。家にひきこもらなければいけないような外出困難も減ってきているように感じます。本当に、よく頑張ってるな、、、と尊敬します。

でも、子育て界隈の課題って、困りごとのフェーズが短期間で劇的に変わるからこそ、解決されにくいんだろうななんてことをよく思うのです。

一つの困難な時期が終われば、また新たな困難がやってくる。だからこそ、ひとつ前の課題が放置され続けるのです。だから今回のnoteは、絶対に絶対に、産後の彼女の苦しみを忘れないという決意もあって、書くことにしました。

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私には、彼女の言葉で忘れられないことが3つあります。

◆いつも「すみません」て思いながら暮らしてる

一つは、「いつもすみませんって思いながら暮らしている」という言葉。

双子を妊娠した私がわるい。道をふさいでごめんなさい。子供を泣かせっぱなしにしてごめんなさいって思っていると。

一切悪いことをしていないはずの彼女。でも、私はこの3年で多くの双子ママと話す中で、彼女がなぜそう思ってしまったのかを、痛感しました。

バスに乗ろうとおもったら断られる。やっとの思いで入ったカフェで子供たちが泣いたら、舌打ちされる。保育園で浴びせられる思いやりのない言葉。

そんな日々が、彼女の心を傷つけ、いつも「ごめんなさい」って思わせていたのです。

彼女の苦しみに気づいていなかった私は、いま過去に復讐するように、ふたご助っ人くじの運営をしています。

◆産後のことは思い出したくない

二つ目は、「産後のことは、冷静に話すのが難しいくらい、心に重く残っている」という言葉です。

彼女はもう双子が大きくなり、本当にしんどい時期を終えました。で、振り返って過去の話をしようとすると、思い出したくないっていうんですね。辛すぎて言葉にできない、と。

産後って、もちろん大変なこともたくさんあるけど、それを上回る可愛さとか、成長の喜びをかんじられるはずのもの。

そのかわいい時期を「思い出したくない」と一人の母親に言わせてしまうこの状況を、絶対に変えていきたいと思っています。

◆だれかと一緒に双子を育てたかった

最後の一つは、「だれかと一緒に双子を育てたかった」という言葉。

同時泣き。お皿がひっくり返って床にこぼれる離乳食。一人をお風呂に入れられても、もう一人が入れられない。

そんな「ああ、今日はなんかうまくいかないな」を隣で誰かが一緒に笑ってくれて、「うんうん、大変だったよね。参っちゃうよね」と言ってくれたら、同じドタバタでも、ずいぶん気持ちが違うとおもうのです。

日本では、多くの家庭で母親が一人きりで長時間、多胎児をみています。私たち支援者に求められているのは、孤独を解消して、「ひとりじゃないんだ」「今日はうまくいかないシーンもあったけど、私がんばってるよね、大丈夫だよね」と思わせる事なのだと思います。

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いつも謝りながらの育児。産後のことは思い出したくない。ずっとひとりで育児してた。

そんな悲しいことがこのまま多胎児の親の中で繰り返されていくことを、止めなければいけません。


これからも、多胎児育児のアップデートをしていくために、頑張って行きます。


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