小説

ある日、田舎の小さな村に住む少年タケルは、村外れの森で古びた箱を見つけた。その箱は何十年も誰にも見つからず、苔に覆われていた。しかし、不思議なことに、箱には鍵もなく、まるで開けて欲しいと言わんばかりに、ぽつんとそこに存在していた。

「開けてみようかな?」タケルは好奇心にかられ、箱を持ち上げた。驚いたことに、それは予想以上に軽かった。家に持ち帰って、そっと蓋を開けると、中には一冊の古い日記と、宝石のように光る小さな球体が入っていた。

日記を開いてみると、見たことのない文字がびっしりと書かれていた。しかし、なぜかその文字はタケルの目の前で次第に日本語に変わっていく。日記は、村の伝説に語られる「光の守り人」の物語だった。

何百年も前、この村は巨大な怪物に襲われ、村の住民たちは全滅の危機に瀕していた。そのとき、光の守り人と呼ばれる戦士が現れ、怪物を封印した。しかし、戦士の力は永遠ではなく、いずれ封印が解ける日が来ると予言されていたのだ。

「まさか、この日記が本物の…?」タケルはそう思った瞬間、箱の中の球体が光り輝き始めた。次の瞬間、彼は見知らぬ場所に立っていた。目の前には巨大な怪物が現れ、今にも封印を破ろうとしていた。

タケルは手に光の剣を握っていることに気づいた。彼が未来の守り人として選ばれたのだ。村を救うため、彼は怪物に立ち向かう決意をした。

タケルは剣をしっかりと握りしめ、目の前の巨大な怪物を見据えた。その姿は圧倒的で、鋭い牙と巨大な爪が光を反射している。だが、不思議とタケルの心は落ち着いていた。むしろ、剣を握った瞬間から、自分がこの戦いに呼ばれた理由を悟ったような気がした。

「やるしかない…!」

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