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営業の転職について

キーエンスとIndeedにてバリバリ営業してきて、営業に誇りを持っています。
そのため、昨今蔓延る「営業不要論」や「手に職がつかない」としての見られ方が増えていることが誠に遺憾です。

営業ができる、ということは素晴らしいことです。
この風潮に反旗を翻すべく、営業職の特殊性について解体し、営業から先にどのようなキャリアがあるのか、紹介をしていきます。

営業をやったことが無い方も、今営業をやっている方も、営業に興味がある学生や他業種の方も!ぜひ読んでいってください!!


営業の種類を理解しよう!

先ず、これを読み始めてくださった営業職の皆さん。ぜひ自身のやっていることを誇りに思ってください。

営業とは会社のために売り上げをつくる最初のポジションであり、あなたがつくった数字はあなたがいなかったらうまれなかった数字です。

とはいえ、営業にもいろいろな種類があります。最近は種類・分類も増えていますのでちょこっと整理します。

  1. 法人営業 (B2B営業)
    企業対企業の営業

  2. 個人営業 (B2C営業)
    企業対個人の営業

  3. ルート営業
    既存顧客を対象

  4. 新規開拓営業
    新しい顧客を開拓する営業。0→1

  5. インサイドセールス
    オフィス内で電話やメール、オンラインツールを活用する営業

  6. セールスエンジニア
    技術的な知識を活かして製品やサービスを提案する営業

こんな感じですね。みんな営業、みんなトモダチです。
あとはコンサル営業とかあるかもしれませんが、わかり難くなっちゃうので割愛します。

一言で営業といっても多様な種族が存在しますが、直接的に売上を作っているという意味では一緒。インサイドセールスは営業じゃねえ!みたいな人もいますが、ぜひみんな仲良くやっていけたら幸いです。

営業の苦労~無形商材と有形商材~

営業を語る上でこのトピックも外せないでしょう。
商材として、無形を売るか、有形を売るか。

個人的な感想ですが、無形の方が営業としての難易度は高く、より高い技術が求められます。

具体的に有形と無形の例を紹介すると以下のようになります。
有形:家具、家電、衣料品、自動車、電子部品
無形:ソフトウェア、保険、コンサルティングサービス、クラウドサービス

感覚ですが、有形の場合はニーズや課題が顕在化している場合が多いのですが、無形の場合はそれを探し当てる必要があり、売りにくい印象です。

個人的な事例として、キーエンスという有形商材(電子部品・センサー)を扱う会社にいましたが、転職をしてIndeedという無形商材(求人広告枠)を販売するフェーズに立った時、序盤は商談の獲得難易度とクロージングの難しさに苦労しました。
センサーは欲しいよ!と言われて納品すれば終わりでしたからね。

たくさんのキーエンスの同期が他業界に営業として羽ばたきましたが、無形商材で苦労をしているメンバーは多く目にしてきました。
一見営業ができそうな人でも、うまく活躍できな場合がある。そのくらい扱う商材によって営業の手法と求められるスキルが異なります。

営業の苦悩~数字に追われる~

営業はたいへんな職業です。
売上という形で、残酷に数値評価ができてしまうからです。

「会社によってプロセス評価がある」「理念・バリュー体現の評価がある」などと言っても、結局は売上という結果が全てなんです。ドラゴン桜で誰かがいってた気がしますが、人間は数字が大好きな生き物です。
対比できるものが明確にあるのにそれを指標として使わない理由はありません。

そのため、営業という種族は毎週、毎月、毎四半期、といった具合に定期的に数値を追いかけ、時には追われ、お客様から契約書を回収できない夢にうなされます。

この終わらないマラソンゲームとどう向き合うかが営業です。

翌月ゼロスタート。

このフレーズを見たときに「あぁ」となって共感してくれるのが営業職です。
先月どんなに良い結果でも、また仕切りなおしてゼロから数字を積み上げる。
なんとかなったり、ならなかったり。そういう戦いがそこにはあります。

みんな、がんばろう。

営業職、育成不可能説

これだけで一つハリウッド映画かNetflixのシリーズドラマできちゃうトピックです。

営業を育成するマネージャーポジションをやったことがある方であれば納得してくれるはずなのですが、営業を育てるのはとても難しいです。
一番「適性」が出る職業だと思います。

キーエンスという会社の選考プロセスについてまとめたことがあります(有料でごめんなさい)。

日本一の営業会社が、これほど細かく営業職を採用する際にセレクションを行う理由がここにあります。
営業には「適性」が強く反映されるからです。

適性が無い人は『D.Gray-man』でイノセントに選ばれないのと同じくらいアカンです。ホントに売れません。

なぜ育成ができないのか

ここでいう育成不可とは、研修を通じてお客様の前で資料をプレゼンできるようになる、プロダクトを理解できるようになる、金額交渉ができるようになる、といったレベルとは全く異なります。

営業としての向き不向きはヒトの性格・性質に宿ります。

なので、適性の無い人を営業として本気で育てようとすると「人格矯正」が必要になり、要はがちがちのパワハラになってしまいます。

人格矯正を受け入れられる人であれば育成できるかもしれませんが、そもそもそういう人は営業の適性がある人です。

相手の目が見て話せる、気が利く、相手の話をしっかり聞ける、程よいプライド、相手の言っていることを鵜呑みにしないで疑える、、、などなど。
いろいろな営業として必要な要素はありますがこれらは育った環境にも大きく左右されます。

なのでもう一度言いますが、営業職として働いている皆さん、誇りに思いましょう!

営業の転職先

長くなってきたので、要点に入りまとめにかかります。

では、そんな特殊な営業種族の皆さんはどんな転職先があるのか。
営業として終わらない数字マラソンの先に不安を覚える方もいるでしょう。
そんな皆様のために、どんなキャリアを展開できるのか、記載していきます。

ソルジャー営業→参謀営業

営業はソルジャーとして日々数字を狩りまくるメンバーがほとんどですが、それを束ねる役回りもいます。
転職として提案したいのは、束ねる役回りを目指す、というキャリアです。

ソルジャーから参謀になると、
・中長期目線で組織の利益を考えた受注
・短期的メリットでなく長期的メリットで考えた提案

といったことを実現し、大型受注につなげることも可能になります。

ある程度大きい組織でしたら昇進を続ければ参謀営業になることができますが、今の組織でこれが難しいと感じたとき、より人数の少ない組織を当たってみてください。

Findyという組織で当時2人目の営業として入社しましたが、ソルジャーとしてではなくより視野を広く組織全体のブランディング等も考えた受注が求められました。

この観点に切り替えないと、営業としてステップアップしていくことは難しいです。はっきり言いますが、視点を変えないと成長がありませんので、永遠にソルジャーできる人でもある程度の経験を積んだ後は参謀になったほうがいいです。

経営的、ブランディング的視点がなく、ただただ受注を繰り返すと組織にとって負担となる場合もあります。
これが考えられない営業は組織的には「害」なので、ソルジャーの皆様におかれましてはぜひ留意いただければ幸いです。

そうならないためにも、定期的に自分が営業としてステップアップする先を模索するのは良いことであると考えます!

マーケへの転職

もう一つがマーケティング職への転職です。
営業とマーケは密接につながっています。

皆さんが「リード」としてアプローチしているお客様は、経営層とマーケティング担当が知恵を絞って考えた「企業にとって受注したほうが良い」とされる先です。

前述した参謀営業とも似ていますが、マーケ担当になると企業の中長期的な成長とブランディング的観点について考慮する必要があります。
(デジマの広告運用とかSEO対策とかも、究極的にはそういうところに行きついてる、と信じています!)

そのため営業的な視点があるメンバーは
・現場というリアルを理解している
・現場のことを考えられられる
・ひいては現場に落とし込んだ際の実行まで考えられる
という点で重宝されます。

マーケティングとは何をやっているのかわからない、という方でも、元営業はマーケとして有効な候補者となるということを覚えておいてください。

最後に

今まで様々な企業を渡り歩いてきましたが、結局営業として得た経験はかけがえのないものです。

結局、大事なことは全て営業です。
医者も、弁護士も。経営者なんて毎日が営業だと思ってます。

一度営業になった方は営業に戻れます。
人生一回、色々な可能性を模索して羽ばたいてください。

私も頑張ります。


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