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BLONDE Ⅱ

さて、今日も昨日に引き続き「ゴルディロックス」からの妄想です。


ハンガリー出身のアメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイが提唱する「フロー(Flow)理論」。フローとは「時間を忘れるくらい完全に集中して対象に入り込んでいる心理状態」のことを指します。ちなみに交響詩篇エウレカセブンの主題歌を歌うツインボーカルバンドもFLOWですが、こちらはHIPHOP用語の「浮遊する、流れる」という意味から名付けられたとのこと。・・なんだ、チクセントミハイではなかったようですね。

熱すぎず、冷たすぎず、ちょうど良いもの。難しすぎず、簡単すぎず、ちょうど良い難易度の業務、つまり『ゴルディロックスの仕事』を社員に与えることと「フロー理論」には深い関連性があります。課せられた業務が個人の能力より高すぎると不安が生まれ、能力より低すぎると退屈になる。チクセントミハイが1975年に世に出した著書のタイトルも『Beyond Boredom and Anxiety(直訳すると「退屈と不安を超えて」)』と、そのものズバリなんですね。

退屈と不安を超え、能力と業務がピッタリと一致した場合、フローという「ゾーン」に入った状態になる。「ゾーン」とはトップ・アスリートが勝利の理由として語る超集中状態のこと。この状態から、素晴らしい成果が生み出される。これが"フローの本質"なんです。

そして、大事なのは"ちょうど良いの基準は人によってバラバラだ"ということ。社員全員が金髪美女(ゴルディロックス)が好きだと思ったら大間違い。だから"1on1"という手段を用いて、皆の"ちょうど良い"を確認するんです。部下の不安を聞いてあげる、不満に共感してあげるという上から目線のなんちゃってカウンセラーを気取っても"ちょうど良い"は読み取れません。ましてや"1on1"は上司の金髪美女との武勇伝を聞かせる機会ではない。

上司の役割は「仕事はたのしいかね?」という質問から「もちろん!」という部下の回答を導くことに尽きる。「今日の仕事は楽しみですか?」と聞かれ「楽しい訳ないだろ!」とキレている場合ではない。このあたり、上司はわかっているのかな???

参考書籍:
『モチベーション3.0』 ダニエル・ピンク 著


[2022.10.22投稿]いいね:30


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