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KAIZEN Ⅱ

先日のコメントの続き。TQMについて、少し掘り下げてみます。

総合的品質管理(TQM:Total Quality Management)は、質の高い製品やサービスを常に提供して顧客満足度を維持できるよう、組織全体で継続的な取り組みを進めることに重きを置いた管理手法です。

TQMの哲学によると"一つひとつの部門でプロセスを絶えず改善していけば、質の高い製品やサービスを顧客に容易に提供できるようになる"ということで、"絶えず改善するためのツール"として「PDCAサイクル」が登場します。

「PDCA」って何のことでしょう?Google先生に聞くと「Plan:計画、Do:実施、Check:評価、Act:改善」という答えが返ってくるのですが、なんかモヤモヤするんですよね。・・そう、ActにもActionにもそんな意味はないのにも関わらず、なぜか「改善」という意味で扱われているという点が腑に落ちない。

1950年のデミング博士の講演に始まり、トヨタがTQCで成果を上げたのが1960年代、そして日本企業に一気に広まったのが1970年代。1990年代のバブルを超え、失われた30年を経た現在。いったいどこで和製英語にすり替わったのか・・気になりますね。

・・と、横道に逸れかけましたが話を戻します。絶えず改善するためには「PDCAサイクルを回し続ける」必要があるのですが、Act=改善と定義することによって"1サイクルで改善が終わってしまう"んですよね。計画して実行して評価して改善してはいお疲れ様でした!・・という、このやりきった感が大問題。

常に変化していく状況に、絶えず回し続けることを怠れば、せっかくの改善も単なる一過性に過ぎず、時間が経つと的外れで機能しなくなる、という訳で。結局のところ「やった意味あったの?」という印象を与えてしまいかねません。

「PDCAは意味がない!効果があるのは〇〇だ!」という主張も見かけますが、そもそも「PDCAサイクル」の本質はなんなのか、何のためにこれを使うのか。本来の意図通り正しく使われているのかどうか。そうした前提を見つめない限り、うまくいかないことをツールや道具のせいにしてしまい、目移りする新しい道具に飛びつき、同じことを繰り返すばかりなんだろうな、と思います。


[2022.09.10投稿]いいね:34


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