SHIPS
悲観バイアスに基づく、過度な不安を印象づけてしまう、コロナ禍のニュース。いつまでも繰り返す不安なニュースに、世間はそのニュースの奥にある情報を確認もせず、タイトルや上辺だけの記事に、パブロフの犬のように感情的に反応してしまう。なんだかなーと思うことが増えました。この反応は、ニュースの奥にある事実を眺めて冷静に判断するというフェーズを超えてしまった、不可逆な変化なのかな、と現状を受け止める必要性を感じています。
繰り返す、企業の不祥事。「トップの首を変えれば解決する」なんて安直な手段は解決策ではありません。問題の構造が変わらない限り、人が変わってもまた、問題は繰り返される。解決策は"人を変えないこと"です。変えるのは何か。当事者の"気づき"が結果に繋がるメカニズムを創り出せると考えています。
さて。今日は"船"について。
別記事のコメントを再掲します。
「呉越同舟」や「先頭多くして船山に上る」など、日本では組織や集団を船(舟)に例えることが多いですよね。そして、必然的に舵を取る船長がリーダーを指すことになる。でも、実はこの組織の在り方を"船"だと捉えている前提こそが、日本的な捉え方であって、欧米ではそうではないのかな、と勝手に捉えています。個人主義、実力主義の欧米における"船"は組織ではなく個人を指すのではないでしょうか?
近年注目される"ジョブ型雇用"や"キャリア自律"ですが、その結果として育つ人財は、日本企業が求める"船員"ではなく"船長"を量産することに繋がるのではないか?と懸念しています。
「組織は港であり、多様な船が集まる場所」であれば、求められる人財は船長ですが、日本における「組織は船であり、役割分担した船員からなるもの」という認識では、船長がたくさん育っても困ります。リクルート社のように外海に出てしまいますからね。
私は"組織開発"を数年ウォッチしてきたのですが、コロナ禍の各国の対応を眺めながら、組織の在り方についても、欧米のやり方が全て模範だとは思えなくなってきました。寧ろ、日本の方が、日本や世界という"組織"全体を捉えています。
日本の組織が抱える問題の解決策。これは欧米の模倣ではなく、日本的な組織の在り方を前提に「組織は船、人財は船員」として船員を育成し、組織を育てる解決策も答えの一つだと、今は思っています。
[2021.12.25投稿]いいね:38
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