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KAIZEN

製造業を中心に、日本で一般的に定着している品質・生産性向上のアプローチといえば「カイゼン」。日本の高度経済成長を現場で支えてきた「改善活動」は、海外でも「KAIZEN」として周知されるほどになっていますが、この根幹にあるQC(品質管理)、TQM(統合的品質マネジメント)は、米国の品質管理の専門家であるW.E.デミング博士が1950年に日本で講演されたことが、そもそもの発端なんですね。

品質管理の基本は、形状や機能、適合性などを計測し、統計的に分析することにあります。デミング博士は、かつて「測らなければ管理することはできない」と言われたのだそうです。「安かろう悪かろう」と言われていた日本製品が「メイドインジャパン」というブランドを確立することに多大な貢献を果たしたのが、ものごとを計測する"統計的管理手法"やQC、TQMだった訳です。

数値を計測することは、品質管理技術者だけの仕事ではないですよね。経営者やビジネスに関わる人にとって、売上、利益、株価、EVA、GDPなど、特にお金の絡む数字は「最重要項目」のように扱われています。

しかし、デミング博士は晩年、「経営で大事なことのうち、実際に測ることができるのは、わずか3%しかない」といって、TQMといいながら、短期的な視野で数値計測に傾倒し、測りづらい無形のものの価値を過小評価する経営スタイルの横行を嘆きました。彼の主張するTQMとは、本来「数字を測ること」ではなかったんですね。

ビジネスにおいて、財務上の数字は、表面に現れる結果に過ぎません。財務上のボトムラインに本質的に影響を与えるのは、人や情報、ステークホルダー(利害関係者)の関係性、マネジメントの仕組みなど、目に見えない、お金では測れないものばかりです。

では、どうすればいいんだ?

答えを導くヒントが、晩年のデミング博士が帯にコメントを書かれた書籍『学習する組織』にあると確信しています。私のバイブルです。

参考:


[2022.09.08投稿]いいね:37


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