戦争証言:家族が家族をあやめる時

私の大叔父は、テニアン島で亡くなったと聞いています。逓信省(運輸通信省)関連の軍属だったらしい。戦局が悪化し始めたころ、大叔母を内地に戻し、島で仕事を続けていたとも聞いています。そのテニアンで何が起こったのか

本家に届いた知らせには「・・・艦砲射撃により・・・」亡くなったとの事。それ以外は、なにも還ってきていない。なにが起こったのか。

軍でない人々の戦争証言。題に書いた事実を、体験者から直接聞いていただきたい。その思いでこの投稿をいたしました。

行き詰った兵隊たちは何をするのか。集団思考(注釈参照)で絶望を尊び、生き抜くとは正反対へ導いていく。結果、民間人の自決を奨励し、躊躇すれば悪口雑言の挙句、銃を向ける。

生きる望みを絶たれれば、死を望む。極限であれば、選択肢は一つしかない。民間人は、服従して死を選んだわけではない。「これしかない」行為に及んだのだ。形式に沿って最期を迎える。そこに自己は存在しない。

注釈:集団思考(Wikipedia参照)要約

先行する条件:

・団結力のある集団が、
・構造的な組織上の欠陥を抱え、
・刺激の多い状況に置かれる

欠陥のある決定の兆候:

・代替案を充分に精査しない
・目標を充分に精査しない
・採用しようとしている選択肢の危険性を検討しない
・いったん否定された代替案は再検討しない
・情報をよく探さない
・手元にある情報の取捨選択に偏向がある
・非常事態に対応する計画を策定できない

その結果、多くの人達が死んでいった。

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