拗ねたロシアを、国際協調で真っ当な地へ導く21年

悪ガキのようにやりすぎて、周りから顰蹙(ヒンシュク)を買い、のみならず制裁まで受けているロシア政治リーダー。いまだ、行動を省みるのではなく「自身に一片の曇りなし」といって憚る様子もない。おなじリーダー経験者であれば罪を問わない法案も通すという。

1900年代の初期では、世界に赤い希望をもたらしかけたロシア。権力闘争と粛清に次ぐ粛清で世界革命より自国主義と覇権主義をひたすら追い求めてきた、その結果が現在である。

世界のリーダーとして蘇ろうとしても、自国以外は掴み切れていない。その自国でさえ老いたリーダーに未来の希望を託すことに二の足を踏み始めた。国内をまとめきれなければ外に敵を作るのは常套手段。物理的な軍事の強化はもちろんのこと、サイバー攻撃では「ロシア」の名が上がることさえ密かに容認している。それは、国民向けのメッセージとして適用できるからだ。

「つよがるロシア」をどのように世界の仲間として導いていけるのか。ここがアメリカ合衆国の新たな世界外交の主軸となる。中国との喧噪は、ビジュアル化して "お芝居" をつづけながら、双方に隠れた長期の経済成長効果を生む仕掛けを築き、メディアには機密らしき情報を「漏れ流し」続ける格好になろう。21年以降の実際の脅威は、「拗ねたロシア」なのだ。

サイバー攻撃。「やられたらやり返す」を繰り返せば、超高速に人類を、否、地球を破滅に追いやる危険性を孕んでいる。それは「第二の核世界戦争」といっても過言ではない。今、ロシアはその只中に居るのだ。

私たち西側の人間はこのことを軽く見てはいけない。同類の強権政治を取り仕切る中国共産党がロシアを宥めることはない。西側が真っ当な地へ導くことの他に危機を回避する手段はないのだ。

さて、西側が示す「真っ当な地」とは、なんぞや。

富の再分配に失敗し、情報格差は広がり、生まれることに生き永らえることに後ろめたさを感じさせる。そんなことが、西側に起こってはいないか。それを「見倣え」とはとても言えない。

「拗ねたロシア」を見て見ぬふりをしない。「さぁ、こちら側へ」と自信に満ちた手を差し伸べる。これが、私たち西側に、今、できるのか。

中国共産党は「100年」を期に、「平等への回帰」と思える施策を展開する模様。強権にて富裕層を押さえつけ、選りすぐったうえで解体に近い方向へ持っていくのだろう。露天商が八百屋が倒産しない方向へ向かうのだという。

アメリカ合衆国が「人権」をやかましく言わない限り、真の喧嘩はしないつもりでいる。台湾海峡や南沙諸島・東シナ海、東南アジア・アフリカ諸国への覇権についても、にらみ合いで治めるのだろう。そうしなければ、世界経済で覇権を進められないから。

「拗ねたロシア」は中国共産党を見倣うか。そうは、ならない。ロシア国民は西側が大好きだからだ。なにより、虚栄心や自尊心やその他、複雑な心情により中国に服従するようなことは、絶対といっていいくらいない。

穴ぼこだらけの西側世界。どこかに足を踏み入れれば奈落の底に堕ちる世界。そうかと思えば、その穴から猛烈な上昇気流が発生し、思わぬ高みに舞い上がる世界。

その遊園地のような世界へロシア国民をロシアの政治リーダーを案内することができるのか。100年前のロシアや中国で行われた粛清という「全体主義の穴埋め」ではない「注意して世を渡れば風に舞い上がる時がある」世界へ、西側はロシアを連れてこれるのか。

バイデンさん。中国との間は京劇で十分。世界もそれを知っている。ロシアとは正面で交渉できるようになって欲しい。そうしなければ、思ってもみない最悪の事態を招きかねない。同じ招くのなら、世界の様々な "役と役者" を取りそろえた「面白くリニューアルした西側」へ招いてくださいな。



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