昼のライスフィールド

世界一周の旅~インドネシア②(バリ島、ウブド)

クタからバスでウブドに向かう。ウブドはガムランやケチャの踊り、そして一面に広がるライステラスで有名である。ウブドでは、Family Guest Houseという家族経営のホテルに宿泊したが、寝室はとても広く、またサービスも行き届いていて好感が持てた。30分歩いて汗だくであった到着時には、スプライトとケーキを出してくれ、まだ昼食も食べていないというと、本来含まれていない昼食までサーブしてくれた。ただ、サテがあまりにも辛くて残してしまった。また、滞在中は昼過ぎになって歩き疲れて帰ってくることが何度かあったのだが、そのたびにドリンクとデザートを出してくれた。おかげで、宿の人とは本当に仲が良くなった。朝食には、ホットサンド、フルーツ盛り合わせ、パイナップルジュースがついており、どれも美味であった。

昼食とケーキ

滞在中、ずっと部屋の前でたむろしていた犬(狂犬病注射済み)

ウブドでは、期待していた通りたくさんの文化的なものに触れることができた。インドネシアはイスラム教が主流であるが、バリ島はヒンドゥー教徒の島(宿の人曰く)とのことで、多くのヒンドゥー教建築を見て取ることができる。

昼に散歩していると、運動場の様な場所で、学生と先生だろうか、エンジンを組んで踊りの練習をしていた。その場所は夜に行くと、影絵のショーを行っていた。

また、別の夜には、一緒の宿に泊まっていた日本人と一緒にケチャダンスを見に行く機会もあった。

ライステラスを見て回る為に、再びバイクをレンタルした。途中、大穴が空いていたりと道路の状況は最悪であったが、デンパサール程交通量が多くなく、田園を駆け回ることができた。

全ての経験が新鮮で、夢中になっていた。この旅行の前も東欧やベトナム等をバックパッカ一つで回っていたのだが、ほぼ時間の制約がゼロの中で現地の文化に没入する感覚は、自分が別の次元の世界に来てしまった様な感覚であった。

「それと同時に、突然不安が襲ってきた。友人は今頃就職活動が本格化しつつあるのだろう。一方、自分はのんびり旅をしている。みんな自分という存在を忘れてしまうんじゃないか、そう考えると早く帰りたくなってくる。でも、のんびり旅できるのも一つの才能なんじゃないかと思う。たしかに、もし休学しなかったら、自分は今頃就活、アルバイト、勉強と忙しい日々を送っていただろう。しかし、ここで一度全てを投げうつということも一つの勇気なんじゃないやろうか。この旅は日本でできるような建設的なことをやるような旅じゃない。自分をソフトな面から、しかしハードな軸を作るためにこの旅にでたんだ。日常はたしかに建設的だが、ひどく表面的な面も兼ね備えており、本当に大切なことを見失いやすい。だからこそ軸、もしくは理念をもって行動することが、これからの人生に重要になってくるんじゃないかと思う。こんなこといって自分の行動を正当化している今日この頃。じゃあ大切なことってなんだろう?それをみつけなくちゃ」

過去の自分のメモを見返してみると、こういう恥ずかしいものも残っていたりする。ただ、こういう粗削りな感情を振り返ると、じゃあ今の方がより立派な人間になれているかというと、そこに優劣はないと思う。声には出さないまでも、こういう粗削りな感情は何歳になっても持っていたい。

この宿での日本人の方々との出会いも貴重であった。特に、サトルさん(仮名)という、自分と同じく世界一周中のバックパッカーと意気投合した。彼は確か27歳ぐらいであったが、J-COMの仕事を辞めてこの度に出たという。「何事もとりあえずやってみるべきだよね」という彼の精神に尊敬の念を抱いた。自分が彼の年齢で仕事を捨ててこのような旅に出ることは先ず不可能だろう。バンコクでの再会を約束して、ウブドを離れる。

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