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シンプルで確実な司会の極意

結婚披露宴、入社式、会議、イベント、勉強会、報告会、決起集会……

司会という役割は人が複数集まると自然に必要になります。

司会がいることで、そこにいる人たちに一定の情報を届けられ、一定の行動を促すことができるからです。

それだけでなく、その集まりに特有の空気感を生み出すことが可能です。

司会の言葉や呼びかけで心が一つになる感覚に誘導することができます。

理解が得られたり、共感が得られたりすることでその催しの価値を高められます。

「わかりやすい」「興味がわいた」「欲しい」「感動した」「また参加したい」「やる気が出た」
参加者がそんな気持ちになれたら、おおむねその催しは成功といえるでしょう。

◾️時間制限を理解して守る

そして意外に重要なのが「時間内に終わらせる」ことです。

貸しスペースは時間単位の貸し出しなので、きっちり時間通りに終わらせて片付けて退出するというミッションが主催者にはあります。

例えば、友人宅の飲み会に司会が不要なのはこの「時間制限の有無」です。たとえ朝までグダグダ飲み続けてもお互いが楽しければそれで良しだからです。

しかし貸しスペースを借りている場合、退出時間を守らないと延長料金が発生したり、最悪出入り禁止になったりします。

そのため、予定した内容を時間通りに進め、なおかつその催しが「主催者の企み通りになる」ことが成功となります。

ではそんな役割を担う司会をするとき、何を考えればよいのでしょうか?

それは「問う」ことです。

つまり、自分で自分に問いを立て、質問し、その質問に自分で答える習慣が大切です。

◾️誰のため?何のため?

第一に、この催しは「誰が」「何のために」やっているのか。

これはチラシやポスターの説明を見ればだいたい書かれています。

第二に、この催しは主催者が「何を狙って開くものなのか」という、決してチラシには載らない本心を汲みとってみます。

例えば企業のイベントで「参加者を満足させる」という目的の背後には「会社の売上げを伸ばす」「会社の知名度を上げる」などの本音の思惑があります。

どんなイベントでもチラシに掲載されているのは大抵「建前の方」です。

司会をするときはその根底にある「本音の思惑」を黙って汲みとりましょう。

「黙って」汲みとるのです。

そして、それを実現するにはどういう立ち位置で、どういう進行をすべきか考えます。

「商品を売る」が本音の場合でも、司会者は中立に徹する方がよいことが多いです。

では、もしこれが企業ではなく「結婚披露宴」という個人的なイベントならどうでしょう?

当然ゲストファーストで招かれた人を第一に立てることが大事です。

そうすることが新郎新婦という主催者を結果として援護することになります。

そして結婚式場のスタッフが円滑に仕事を終えられるように手助けすることも大事です。

ではもう一つ。これが社会運動のイベントならどうでしょう?

イベントの目的は「みんなで考えよう」的なきっかけや問題意識を与えたり、参加者の知的好奇心に寄せて司会することが大事です。

司会者も参加者の立場に立って、自分が感じたことを少し織り交ぜながら、その空間を良いものにしていくお手伝いができるよう、真剣に内容に耳を傾けます。

◾️みんな時間を割いている

主催者、出演者、参加者、スタッフ、そして司会者すべてに共通することがあります。

それは時間をやりくりして、その日やって来たという事実です。

だからその時間を司会者はどんなことをしても「価値ある時間にする」という使命をもって臨みます。

進行内容の確認を入念にし、しっかり準備をしておきます。想定内のハプニングはあって当たり前なので、そこまで含めてシュミレーションしておきます。

準備が9割といっても過言ではありません。

そして当日を迎えてからも、時には「静かにして」「早く座って」ということを丁寧にお願いしつつ聞いてもらえる言い方を習得する必要があります。

クッション言葉を入れながら、低姿勢でお願いするのがスタンダードなやり方です。

「ご歓談中、恐れ入りますが続いての進行がございますのでご着席いただけますでしょか」

「続いては〇〇さんの発表です。ぜひご注目ください。皆様よろしいでしょうか……」

「恐縮しながら言う」「期待感を煽りながら言う」「意図的に黙ってみる」のがポイントです。

◾️参加者に考えさせない

人は考えるということに多大なエネルギーを使うため、軽いストレスになります。

そのため、トイレの場所、喫煙所の有無、休憩時間、配布資料の説明などはあらかじめ伝えておくのが親切です。

また迷ったりしないように、どういう行動を取るとよいかを伝えましょう。

例えば終了後、「展示コーナーに立ち寄ってください」「販売コーナーがあります」「数に限りがございますのでお早めにお越しください」など、参加者にメリットとなる情報を全員に平等に与えることが司会者にはできます。

いろいろ迷わない体制を作ることで、よりイベントや催しに集中しやすくなります。

◾️まとめ
・タイムスケジュールを守る
・主催の意図を探る
・主催の本音と建前を押さえる
・司会の立ち位置を理解する
・場を一体感に導く
・迷わせない、考えさせないことがサービスになる

以上、少し抽象的な内容ですが、抽象的であるからこそ、どんなイベントや催しにも対応可能な極意となります。

何かの機会に役に立てれば嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました。







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