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回り道してみる

弁護士やArt and law代表理事など様々なことに携わる水野祐さんは『これからの僕らの働き方』(横石崇編)の中でこのような話をしている。弁護士の資格を取るために勉強していたとき、水野さんは映画館やライブハウス、クラブやフェスの手伝いなど受験勉強と文化活動を並行していた。「けっきょくその時興味をもって回り道をして活動してたことが、そのまま仕事につながっているんです。」
 私は正直弁護士受験をしている人がこのような文化活動をしていたら「本気で弁護士になりたくないのかな?勉強だけに集中するべきなのに」と思ってしまう。この本を読んでいるときも水野さんが当時のことを振り返っているのを聞いてこう考える私に話しかけてきているような感覚になった。
 読み進めていくと水野さんと私が考える弁護士が大きく乖離していることに気が付いた。水野さんは弁護士でありながら弁護士という枠にこだわっていない。自分にしかできないことに魅力を感じている。“回り道”がその違いを作り出しているように私は感じた。ただ受験勉強をして弁護士になるなら時間さえかければきっと誰でもなれる。でもそこに自分らしさを付与して自分にしかできない仕事を生み出すのは興味と好奇心による“回り道”なのかもしれない。

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