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同人誌作成メモ

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#印刷

『入稿データのつくりかた』

ジャンルが特殊ゆえ書店に行ってもなかなか現物を見れないので、この本自分に必要かな、の判断材料の記事です。今回は『入稿データのつくりかた CMYK4色印刷・特色2色印刷・名刺・ハガキ・同人誌・グッズ類』です。 印刷所のサイトに入稿マニュアルはあるけど、印刷所ごとに違ううえ、そもそも基本的な知識がないと読み解けないことからまとめたんですが、印刷所で働いているかたからも「勉強になりました」と言われることがある本です。今回、説明のために読み返してみて、たしかにこれ、社内の生き字引み

イラストなしで作った文庫同人誌の装丁・紙・印刷について(失敗と改善編)

前回の記事で2017年、2018年に作ったオリジナルの本を紹介しましたが、それ以前にも二次創作で何冊か文庫本を作っており、印刷・デザイン上で失敗だったな、という点がたくさんありました。 そう、とてもたくさん……。 でも、それらがあったからこそ、「こう改善しよう」と考えることができ、ちょっとずつ進歩してこれたのかなと思います。 というわけで、3年前の自分に伝えたいような気持ちで、特に失敗と改善点を踏まえて紹介したいと思います。 はかない武器 表紙用紙:OKプリンス上質

【Canva】デザイン&印刷で、失敗しやすい4つのポイント

チラシを作りたいけど「パソコンがない」「編集アプリがない」という人や 「どうレイアウトしていいか分からない」という人に注目されているサービス「Canva(キャンバ)」。PCやスマホからブラウザ上で操作ができるほか、アプリ版もリリースされています。  >> Canva はこちら 「Canva」は会員登録をするだけですぐに利用でき、基本操作は無料。 テンプレートをベースに編集を進められるため、デザイン初心者でも直感的にレイアウトが可能です。完成したチラシのデータは、「高画質P

カバー付き文庫同人誌のすすめ(装丁・紙・印刷について)

文庫同人誌はいいよ!という記事を見かけたので、カバー付きもいいよ!という記事です。 オリジナル小説の同人誌は現在、すべてカバー付き文庫で発行しています。 A5の倍近い印刷費がかかる文庫、さらにカバー付きだとめちゃくちゃ自分の首を絞めるのですが、 比較的値段の手ごろな印刷所で、かつ早割を使うことで、少部数の発行でも何とか赤字にはならずに続けられています。 カバー付き文庫のいいところは、気軽に持ち歩きやすく、商業作品にも引けをとらない見栄えも期待できるところです。 文庫とい

縦書き小説本作成ツール『威沙』を触ってみた覚え書き

同人誌の印刷用原稿(組版)を作る際、方法としては ・印刷会社が提供してくれているサービスを使う(しまや出版が有名) ・Wordを使う ・専用の組版ソフトを使う(InDesignなど) ・TATEditorを使う あたりをよく見かける。 このなかで、Wordはなるべく使いたくない勢なので(ルビの扱いがはんざつすぎるし、制御できない動作が多すぎる)除外する。有料ソフトもちょっと保留。 小説投稿サイトのルビをそのまま使いたいので、ルビ対応可能なTATEditorも魅力的なん

再録本『diablogue.』 紙とインキのはなし

ブログ「diablogue.」を再録した同人誌つくりました。フルカラーカバー付き、文庫サイズです。もうエキサイトのほうは更新しないので、そのうちアカウントごと消そうかなと思っています。 アリスブックスさんで通販してます。アリスブックスさんのところは、アカウントつくらなくても購入できます。これ以上アカウント増やしたくない、という場合に便利です。 https://alice-books.com/item/show/2755-28 表紙はキュリアスに銀インキ。キュリアスは

『チノ語録 完全版』ができるまで

去年つくった、漫画家・幸宮チノ先生のツイートをまとめた『チノ語録 完全版』ですが、この作業で得た記録もの同人誌制作ノウハウも大きかったので、まとめてみます。 なにはともあれサイズを決める 『チノ語録』は文庫本サイズ・本文1色刷り・フルカラーカバーという仕様です。こういう仕様は、わりとやりたがるひとが多いとみえて、印刷所にセットメニューが用意されていることもあるので、意外とつくりやすいかもしれないです(オフセットでふつうにやろうとすると、カバーがあるので印刷代はそれなりにか

活版印刷とその原稿のヒント

重ねて揃えると小口の金がつながって金塊みたい。 紙meさんのこだわりカード企画でオーダーしたカードです。 「天金加工」という技術で、小口に箔が転写されています。加工は聖書製本の星共社さん。 小口を磨いてから箔を転写するそうで、完全な長方形とはならず、辺にわずかな丸みが加わっているのも味わいがあります。 印刷はまんまるさんによる活版印刷です。線がまんべんなくごちゃごちゃしているので、間にゴミつまって大変だったんじゃないかなあと(小さな活版印刷機扱ってみるとなんかわかる)。