見出し画像

また「みんぱく」に行ってきた日記

7月末に行ってから、見切れなかったとこも多いし興味が増してたからまた行きたい気持ちでいっぱいだった。8月はずっと、いつ行こうかな、今日会社休んで行こうかな、みたいなことを考えながら過ごしていた。

特別展も新しい企画展も始まったので、いよいよまたみんぱくに行ってきました。特別展も企画展も通常展示もぜんぶよかったです。今回の特別展は、チケットあれば再入場もできるし本館展示も見ることができるので、時間に余裕があるとたっぷり楽しめてよいです。


特別展「交感する神と人―ヒンドゥー神像の世界」

入り口で、ヒンドゥー教の神がみ相関図をもらえる。この相関図を見ながら、どの神にまつわる展示なのか、どういう関係にあるのかを確かめながら回った。私は特にカタカナの名称に弱いので、ありがたかった。

宗教的場面が描かれた布のデザインが好きだなと思った。細かい図柄で描き込まれていていい。

観賞用染色布(アンベ女神) 拡大

すこし離れてから振り返ったときに、大きい布が一望できてきれいだなと思った。そこに描かれているモチーフはぜんぜん読み取れないけど、意味が分かってから鑑賞するとまた感想も変わるのだろうなぁ。

観賞用染色布

お面もたくさんあった。
バイラヴ(シヴァの憤怒相)は目鼻が立体的で、インドネシアのバロンなどの造詣とも似た雰囲気を感じた。

バイラヴ(シヴァの憤怒相)

展示を見て、日本とは宗教観があまりにも違うなと感じた。
タイトルにもあるように神と人が交流して、神がみがくらしに溶け込んでいる様子が伝わる展示内容だった。神像を飾り立てたり、布やタイルとして飾ったり、ステッカーやカレンダーなどで日常品としても常にそこにあったり。季節ごとの年中行事もあって、地域の文化であり宗教としての営みであり、私が考えるよりずっと神を信じているのだろうと感じられた。
日本で暮らして、盆にお墓参りしたりお仏壇に線香あげるくらいのことしかしてこなくて、今となってはそれすらももうしなくなった。季節の行事として宗教由来のものが残っていることはあるが、そんなことほとんど意識しない。無意識なだけで、仏教的思考や神道的価値観で暮らしているところがあるとは思う。だけど、どの宗教、神様を信仰していますか?と問われてもわからないし、捧げるような自覚はない。

AR ガネーシャは、アプリの使い方が分からなくて出現させられなかった。供物を捧げたら一緒に写真も撮れたらしい。そんなカジュアルに扱っていい神様なの?という気持ちもなくはない。
ミュージアムショップでも、実際に現地で売っているであろう神様のステッカーなどがあって、その神についてなにも知らない人間が買っても大丈夫ですか?と考えてしまって買えなかった。

企画展「カナダ北西海岸先住民のアート――スクリーン版画の世界」

撮影NGだったので写真がない。好きな作品もあったのでどうにかしてまた見たいと思う。図録か目録か出ないかな……。特にクワクワカワクゥ族のスクリーン版画が好きだった。ウニが描かれた太鼓とか。

スクリーン版画なので、線と色がくっきりはっきりしていて、モチーフが簡略化されている。お面もそうだし、そういう絵が好きなのかもしれない。

本館展示(Aブロック)

前回、BCブロックだけ見てAブロックを見てなかったので、今回は主にAブロックを見た。前来たときは気づいてなかったが、各地域の始まりに地勢図と言語分布図があった。
若干リニューアルされて、タッチパネル式のディスプレイが増えていたように思う。

『文化人類学入門(増補改訂版)』で読んだ「クラ」で使われる実物を見つけてテンションが上がった。文字でしか知らなかったものを、実際に見ることができるのは楽しい。

左: クラ交易用首飾り「ソウラヴァ」、右: クラ交易用腕輪「ムワリ」

オーストラリア アーネムランドで制作されたこの木彫も、つるっとした質感と柄がとてもよかった。やっぱりこういう作品が好きなんだと思う。
中学生のころ、美術の時間にアボリジニーアートを習ったときも、あの点描にとても心惹かれた。黒っぽいフェルトにアクリル絵の具で点々をつけて、真似て描いたりもした。

木彫「アヒル」 (地域 アーネムランド)

ペルーのチュルカナス陶器は、ぽったりしていて大変よかった。
現代の陶芸作家であるマネノ・ファレス(MANENO JUAREZ)さんの作品もあった。丸々つるつるしていてよい。

農婦(地域 チュルカナス)

最後はやっぱりランダとバロンに挨拶をして終わりにした。

観覧を終えて

特別展では神がみの展示がたくさんあって、やっぱり女神転生のキャラクタ達を思い出してしまっていた。あれもこれもいたなーと思いながら、だから鬼女だったり女神だったりしたんだなと心の中で納得していた。
帰ってからまた女神転生のときの各神がみのキャラクタを確認した。展示で見たような特徴をとらえているデザインだと思う。

特別展のミュージアムショップでは、このクリアファイルを購入した。名前だけでなく絵もあってより分かりやすい。福岡アジア美術館が2022年に「ヒンドゥーの神々の物語展」をやったときに制作したものらしい。この美術館にも行ってみたい。

今は、展示を美術品的な意味で好きだなーいいなーという気持ちで見ることが多い。
文化などの背景を含めて見ることができると、より楽しめるのだろうと思う。そういう楽しみ方をするには、知識が足りない。世界地図も頭に描けないから位置関係も分かってないし、世界史もまったく覚えてない。
前回と比べれば、文化人類学系の入門書をすこしだけ読んだからすこしだけわかることが増えていた。こうやってすこしずつ知ってることとか興味が持てることを増やしていけたらいいな。

特別展も企画展も、あらためて見たり確かめたいなと心残りがあるので、会期中にもう1回行くかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?