「みんぱく」に行ってきた日記
2023年7月末に、国立民族学博物館「みんぱく」に行ってきた。
特に気になったもの、印象に残ったものを書き留めておきたい。
入ってすぐから展示物の圧を感じた。
薄暗くて、場内いっぱいに展示物が並べられていて、自然な素材が多いのもあって、禍々しさを感じてすこし恐くなった。
ブロックごとに入口が開けているのでブロック単位ではショートカットできるが、ブロック内でのショートカットはできないようになっていた。
なので途中は気になる~と思いながらも通り過ぎた。
C5: 日本の文化
家屋のミニチュア模型もいい、作り物感が薄くて本当にそのまま小さくしたかのようだった。
祖母の家も、藁葺きでとても古いので雰囲気が似ている。規模も地域もぜんぜん違うが、建築様式の年代的には近いのかもしれない。
実寸大の再現模型もある。農具なども細かく説明があり、実際こんな雰囲気の家屋があったのだろうと想像できる。
水と何かを突く音がずっとするなと思ったら、実際に水を流して杵を動かす展示があった。臼の中には何かの粒が入っていて、搗かれていた。
牛の放牧の説明の中にワラビの展示が混ざっていて、何か関連が?と思ったら、牛はワラビを食べないから放牧のあとにワラビが残るのでそれも採集していたらしい。関係がないように見えても、実際には関連していることがある。
各地の神事や祭りなどの展示では、私の地元でもやっている祭りも紹介されていて懐かしくなった。
B1: 言語展示
言語展示は、特にIT技術が活用されていて楽しかった。
カードに点字と文字でいろんな言語で「ありがとう」が書かれていて、裏面にバーコードみたいなのがあり装置に読み取らせると発音してくれる展示。
カードが何十枚もあって、よく見る英語や中国語以外にも見たことのない言語もたくさんあった。
丸いテーブル上のディスプレイに、スタンプのように音声の組み合わせを押すと発生してくれる展示。母音と子音のような組み合わせができるようにスタンプが用意されているのだけど、ローマ字読みとは少し違うもっと細かいニュアンスの音声が聞こえる。
スタンプの裏面には、薄い磁石がいろいろな形に貼ってあって、それで識別しているみたいだった。
言語のつながりや文字の系統樹もあって、つながりがあるところはかつて人の移動があったんだろうなぁとか考えていた。
日本語は、文字としては漢字ベースなのに語順などは中国語とは違うのは、改めて考えると不思議。どういう変遷で今の日本語になっていったのだろう。
B4: 南アジア
インドにおけるキリスト教にまつわる展示があった。
このキリスト像は、蓮の花や孔雀といったヒンドゥー教の要素が取り込まれている。「サリーをつけた聖母子像」もあり、そのキャプションにはキリスト教徒以外にも信仰されていると書いてあった。
あとで調べると、ヒンドゥー教が8割だがキリスト教も数%いるとのことだった。日本だと1%に満たない。
キリスト教だったりの一神教は、他の宗教と混ざり合わないようになっているとなんとなく思っていたので、こういったものがあることが意外だった。文化的に根付いていくと、こうやって混ざり合っていくものなのかもしれない。
B5: 東南アジア
女神転生に出てたやつ!!ってなった。
ランダの爪が長いとこ、バロンに白くて長い毛が全身に生えてるとこ、顔立ち、本物の特徴がそのまま悪魔デザインにも反映されていることが分かった。
展示されているものは、このために現地の職人に1ヶ月ほどかけて作成してもらったもの。
となりの映像ブースで、現地でのランダとバロンの踊りも視聴できた。
動きもゲーム中と似ていた。
影絵劇や人形劇も紹介されていて、それらの造詣の特徴がそれぞれ違っていて、どうデフォルメするかも違うのだなと考えたりした。
ミュージアムショップ
言語と宗教が気になったので、みんぱくと友の会が発行している冊子をそれぞれ購入した。これらは、ネットショップでも買うことはできるが、みんぱくでしか買うことができない。
『月刊みんぱく』2022年9月号
特集 コトバとつきあう
https://www.senri-f.or.jp/shop/products/detail/3500981
『季刊民族学』174号 2020年 秋
特集 キリスト教受容のかたち
――世界史のなかのかくれキリシタン
https://www.senri-f.or.jp/174%E5%8F%B7%E3%80%802020%E5%B9%B4-%E7%A7%8B/2020/10/22/
月間みんぱくは、アーカイブをオンラインで公開してくれている。
https://www.r.minpaku.ac.jp/gekkan_minpaku/index.html
最新刊も翌月にはPDF版を読むことができる。
https://www.minpaku.ac.jp/research/publication/column/gekkan
観覧を終えて
前回来たときは2時間弱しかなくて全エリアを見るだけしかできなかったのと、すべてを見るには体力が持たないと考え、今回は見たいところを重点的に見ることにしていた。
前は最後のCブロックをあまり見れてなかったのと身近なとこからということで、日本ゾーンから見始めた。結局、Bブロック一通りとCブロックの半分くらいだけ見て、Aブロックはまるまるスキップしてしまった。
休憩を挟みつつではあったが3時間弱いた。時間的にはまだ余裕があったのでもう少し見たかったが、疲れ果てて終わりにしてしまった。
それから、今回はもっと解説を知りたかったので「みんぱく電子ガイド」を借りていた。受付で、専用スマホと肩掛けワイヤレスイヤホンを無料で貸し出してもらうことができる。
展示にARマーカーで再生ボタンを表示させて映像ガイドを視聴するという形式だったが、ARマーカーの表示に癖があって慣れるまで操作が難しかった。
また数分の映像なので音だけではなく映像も見る必要があり、展示品を見ながら~という感じではなかった。有料でもいいからあとでゆっくり見れたらうれしいな……
気になったところを調べたり、買った本を読んだりして、またそのうち行きます。太陽の塔の見学もしたいし。
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