コードの「機能」

 前回少し難しく感じた人もいるかもしれません、が、コード進行を理解する上で大事な部分はあと少しだと思いますので心が折れる前に休憩を挟みつつ頑張りましょうw

 お勉強だけが続いて実践がないと苦労のわりに報われる感じが少ないかもしれませんが、コード楽器を演奏する人は前回のCメジャーキーのダイアトニックスケールコードを鍵盤(あるいは自分の弾ける楽器)で弾いて少しずつでも覚えて、Cメジャーキーの簡単な曲(転調などせず、出来ればCのダイアトニックスケールコードしか出てこない曲)を、コードネームを見ながら音を鳴らしてみたりしてみてはいかがでしょうか?

例えば「きらきら星 Cメジャー 楽譜」とかで検索すればメロディーにコードが付いた楽譜が見つかると思いますし

 ピアノならメロディーを思い浮かべて右手でコードを弾く、あるいは右手でメロディーを弾いて左手でコードを押さえる、など出来ると思います。
まだかっこいい演奏にはならなくても「コード譜を見て演奏する」ということの一歩目は実感できるんじゃないでしょうか。


 「音楽理論」をわかることで何がいいのか、ということについて楽器を演奏する人とDTMなどで作曲する人それぞれを意識して書いていますので、それぞれコードを覚えることから恩恵を受けられる側面やタイミングが違うのですが、どちらにもちゃんと苦労が報われることがあると思っていますので、もう少しの辛抱です、よ。


大事なコード ひとつめ

 「ダイアトニックスケールコート」という、ひとつのキーの中に7つのコードがあるということを前回書きました。その中には重要な役割を持ったコードが3つあります。

 引き続きCメジャーキーで説明していきますが、Cメジャーのダイアトニックスケールコードで大事な役割を持つコードのひとつめは「CM7」です。そりゃそうでしょって感じかもしれませんが、そのキーの基準となるコードで、曲の最初と最後を受け持つことが多いです。曲の最初は違うコードから始まっても大体の場合はこのコードで曲が終わります。言い方を変えると、このコードにたどり着くと落ち着いた感じ、終着感があります。曲のメロディーも「C(ド)」の音で落ち着くことが多いです。


大事なコード ふたつめ

 次に大事なコードは「G7」です。以前、「起立、礼、着席」が「C-G7-C」だと説明しました。その中でG7からCに進行することで落ち着いた感じがすると言いましたが、その落ち着いた先は先ほど説明した「C(M7)」で、落ち着く手前の一番「不安定な響き」を持つコードが「G7」です。

 このCM7とG7で「解決する」感じが出ます。また大雑把に言いますが、だいたいの曲の最後のCM7に帰ってくる一つ前のコードはG7です。そこからCM7に「解決する」ことで曲が終わった感じを得られます。


大事なコード みっつめ

 3つめの大事なコードは「FM7」です。このコードはG7ほどの解決感はないのですが、CM7に進行して曲が終わることができるコードです。FM7-CM7と音を鳴らしてみると、G7のときよりもゆったりした、ふわっとした感じの落ち着きが感じられる、かな?と思いますが、いかがでしょうか。

 またFM7はG7へと進行することも出来ます。

「出来ます」って言い方はだいぶ語弊ある気もしますが、今は読み飛ばしてください

 「FM7-G7-CM7」という並びで曲の終始感を作ることができます。


なんとなくわかったような、わからないような、そんな感じかもしれませんが、とりあえず今はそれでよいと思います。とにかくひとつのキーの中で大きな役割を持ったコードが3つある、ということとその大体の特徴・役割がわかれば大丈夫です。


 このようにコードにはそれぞれが持つ役割、意味合いがあります。これがコードには「機能」があると説明していた内容です。


コードの「機能」のまとめ

 今はCメジャーキーで説明していますが、他のキーでも同様なのでどのキーでも同じようにわかるために、ダイアトニックスケールコードをローマ数字で表すことがあります。

コード5-1

 このように、基準となるCをローマ数字で「Ⅰ」として、そこから順番に上に向かってⅡ、Ⅲ、と番号を付けていきます。その数字のあとにはメジャーやマイナーなどそのコードの分類を書きます。

 そして、ここまでで説明した3つのコードは機能としての呼び方があります。CメジャーキーでのCM7、ⅠM7は「トニック」と呼ばれ曲の始まりや終わりに使われます。特に終わりの安定感を出すことが重要です。
 G7のⅤ7は「ドミナント」と言います。その曲のトニックに進行して不安定から安定への解決した感じを出します。
 FM7のⅣ M7は「サブドミナント」と呼ばれ、ドミナントほどではないけどトニックへの解決やドミナントへの進行をします。

なんか理論っぽくなっちゃいましたがw この3つが大事なコードで、この3つだけで出来ている曲もたくさんあります。俗にいう「スリーコード」というのはこの3つのコードのことや、それだけで出来ている曲のことを言います。


たまにこれを知らない人が、単に簡単な曲というだけで「スリーコードの曲だから」と言われて本番が始まったら全然スリーコードじゃなかったということもあります・・・


 今回は今までで一番難しくなってしまったかもしれません。でも「コード進行」について一番説明したかった基礎の部分はこれでオッケーです、ようやく解説できました。
 ここまでの知識をベースにして、これからいろいろなことがわかってくると思います。いまいちわからなかったりしても、時間をおいてまた読んでみるなど挑戦してみてください。

じゃあそれを覚えてどうなるの??

 ということについては、これから。コード譜で楽器を演奏する人とDTMで作曲する人とで知識の使い方や今後必要になる内容も変わってきますので、今後はそういった点もそれぞれの方向に向けて解説できたらと思っています。



音楽理論がわかればいろいろ出来そうだけどよくわからない、という人向けに、きっかけがつかめたらもっと楽しく出来るかもしれないと思って書いていますので基本的に無料で公開しています。無料で読んで頂いて構いませんがもし課金的なサポートをしたいという方は、僕の制作物などを購入してもらえたら嬉しいです(500円などからあります)。

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よろしくお願いします、読んで頂きありがとうございました。


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