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「君の名は。」とたそがれどき

夕方は、いろいろな事がおこる時間帯

「 君の名は。」は2016年公開の新海誠監督のアニメ。

ざっくり言うと、男の子と女の子が入れ替わる話。

男女が入れ替わるというと思い出すのが大林宣彦監督の「転校生」。若いときの尾美としのりさんと小林聡美さんが初々しくて、めちゃくちゃ面白かった思い出があります。思春期の男女が入れ替わったら、そりゃ大変でしょうというちょい甘酸っぱいコメディでした。

で、そのノリで観たら全然違う。入れ替わりのコメディ的な要素はあるんだけど、「君の名は。」は、もっと内容が重い。

詳細はまだ映画を観ていない人もいると思うの省略しますが、この映画で重要なのが「たそがれどき」です。

漢字で書くと「誰そ彼」どき。

「彼は誰なの?」と聞くぐらい暗くなった夕方の時間帯という意味です。

これとは別に「逢魔が時(おうまがとき)」という魔物に会ってしまう時間というのがあって、これが暮れ六つの酉の刻。つまり午後5時〜7時ぐらいのことで、「誰そ彼」どきと同じ時間帯です。

「逢魔が時」は「大禍時」とも書いて大きな禍(わざわ)いがある時間とも言われています。

光によっていろいろな物が見える昼と、光がなくなって闇にうごめく魔物が出現する境目が「たそがれどき」なんですね。

映画ではこの「たそがれどき」が夢と現実、現在と過去が交差する時間帯として描かれていました。

魔物なのか、夢なのか、過去なのか、禍いなのか、とにかく「今の現実」とは違う物に出会う時間が「たそがれどき」なのです。

ちなみに、「たそがれる」というのは「人生の夕方」つまり「盛りを過ぎた」という意味で、20〜30年前に定年を迎えた人たちを「たそがれ族」なんて呼ぶ言葉が流行したこともありました。

また「たそがれる」は「物思いにふける」という使い方もされる場合がありますが、これは当時の若者言葉(いまなら「エモい」とか?)が定着したという事らしいです。

デジタルデトックスなんて言葉もありますが、たまには「たそがれどき」に海辺とか河原とかに行ってたそがれてみるのもいいかもしれませんね。

#contents_JP #映画 #映画は先生

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