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【酒飲編Vol.58】クラダック ブレンデッドモルト

Spec

クラダック ブレンデッドモルト
(ディアジオ傘下の海岸線にある蒸留所・・・インチガワー、クライヌリッシュ、カリラ、ラガヴーリン、タリスカー、オーバンのブレンド)
57.1%

評価

美味しさ:9/10
お気に入り度:9/10
総評:9/10

ノート

◯香り
ニスを塗った木材、ライトな蜂蜜、果汁10%オレンジジュース。うっすらバニラと潮風。
◯味
基本線は旨味の存分に出た麦汁。カラメルの焦げから出る甘みと苦味、タリスカー由来と思われる塩味・スパイシーさ、クライヌリッシュ由来と思われるワックスや蜂蜜と変遷していき、最後はダシとピートとほんの少しの苦味が残る。
◯ボディ
フルに近い。デカい・重いでは無く、引き締まって重いような印象。
◯フィニッシュ
やや長め。ラガヴーリンやカリラを思わせるトーンの低いピートをメインにオレンジ色の柑橘が乗る形。

デザイン良し。味良し。

コメント

比較的最近購入。
2018ボトリングのリリース。ブレンドされた各蒸留所についてはインチガワーを除く各銘柄は全て飲んだ事があり、かつどこも素晴らしい蒸留所である事は味わいを通して確認済み。
使われている蒸留所の名前だけ見れば俺TUEEEEなブレンデッドモルトだが、リリース時期の相場の問題か、ブレンデッドである事が足枷となったのか、はたまたNA表記のせいか、本note投稿日時点でも結構出回っており比較的容易に入手出来るリリース。
 
結論から言うと、久しぶりにピート系のボトルで「コレは当たりだ!」と思わせる1本。

今回は味わいを掘り下げる前に、デザインについて言及。
個人的にはこのパッケージデザイン、これまで入手ボトルの中でも3本の指に入るくらい好み。シンプルでゴテゴテしておらず、そんな中でもアピールポイントのデザインへの落とし込みがよく出来ている。

箱の右側面。インチガワー、クライヌリッシュ。
箱の左側面上部。カリラ、ラガヴーリン。
箱の左側面下部。タリスカー、オーバン。

クラダック“海岸線”の画的なイメージ、使われている原酒、味わいのイメージがデザインでも表現されており、正直開栓する前からかなりテンションが上がった(笑)
 
味わいはブレンデッドらしく、バーボン系や新樽系をベースにシェリー系を繋ぎにしたと思われる構成。ピートの強さは中の下ぐらいだが必要十分。ノートにもある通り、ブレンド元の個性がしっかり表現されており、かつ一体感も感じる。特に味わいの力強さ・口に含んでから余韻までの香味の複雑さは特筆すべきものがあり、これぞブレンデッドモルトと言うべき味わいだと思う。
一方でノージングやフィニッシュの複雑さはもう一息。これはNA表記となるような若い原酒が比較的多いからだと予想出来るが、それら原酒の質の良さや魅力を味の方で表現する為に敢えて重視しなかったような印象も受ける。寧ろこのある種の物足りなさが、ついつい手が出てしまう一因となっている。
だが57度で結構強力な為、一杯飲み終わる頃にはなんだかんだで充分な余韻が出る。それ故に飲み終わりの充実感はなかなかのもの。
 
今冬にシェリー系ばかり買っていた事や、ピート系の大当たりはBBRアードモア以来だったので個人的にかなりテンションの上がる買い物だった。
・・・やっぱりちょい古めのリリースは狙い目だな。。


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