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【酒飲編Vol.61】クラクストンズ エクスクルーシブズ ベンリネス 2010 11年

Spec

クラクストンズ エクスクルーシブズ ベンリネス 2010 11年 (for Whisk-e)
レッドワインバリックフィニッシュ
カスクNo.307722
54.4%

評価

美味しさ:8/10
お気に入り度:9.5/10
総評:9/10

ノート

◯香り
青林檎とマスカット、やや酸味がかった溶剤。うっすら蜂蜜。
◯味
最初は葡萄味をベースとした甘み。すぐに旨味の塊が掛かってくるが、死ぬほど野暮ったい。旨味からは野菜・穀物・肉などあらゆる要素を感じる。その旨味だけが終盤まで残り、余韻へと続く。終盤には少しだけスパイシーさも出てくるが、ピリピリではなくヒリヒリする辛み。
◯ボディ
多分ミディアム。というのも、スピリッツ部分がやかましいのでフルに近い感じがするが・・・よくわからないというのが正直な感想。
◯フィニッシュ
中程度やや長め。樽の焦げ感とごく微量の内陸系ピート。野菜の青臭さ、草っぽさは最後まで居座る。

コメント

比較的最近購入。
 
「酒質が強い」「癖が強い」というのは、自分の中では酒を選ぶ上でついつい気になってしまうポイント。そして、そういうスピリッツが出来そうな作り方をしている蒸留所を調べていると必ず引っ掛かるのがこのベンリネスかと思う。
木製ウォッシュバック・濁った麦汁・短い発酵時間・玉葱型ポットスチル・下向きラインアーム・長いミドルカット・ワームタブ・・・ごついウィスキーが出来上がりそうな要素が揃い過ぎているが、今日まで手を出していなかった。
というのも、出回ってる評判や味わいのインプレッションが安定しないという部分と、2.5回蒸留(経験上、2回蒸留以上だと軽くて似たようなエステリーさが出る印象だった)という部分が気になっており、それが原因で購入に至っていなかった。
ところがよくよく調べてみると、2007?2009?辺りから2回蒸留に変えているという情報が出回っているではないか。変更年度は諸説あるが、少なくとも2010以降のものは確実に2回蒸留品であろうと考え、評判の不安定さに目を瞑り購入。
 
で、実際どうだったかと言うと・・・
・・・一言で、「今年1番のショック」。
 
このボトルの情報を調べれば出て来るが、かなりお上品に仕上がりそうな樽を使っているし、そこもしっかりと味わいに乗ってはいる。
ところが、どう考えてもスピリッツ由来なエステリーさと旨味とオイリーさがある。そしてそいつらが樽の個性を圧迫しに掛かるという珍事が発生してる。
要するに、ス ピ リ ッ ツ の 癖 が マ ジ で 強 い 。
この傾向は、バーにてシェリーカスクの2010ヴィンテージを飲んだ時も同じだった。シェリーカスクですらスピリッツに喰われかけており、マスターにシェリーカスク“フィニッシュ”かどうか訊いてしまったほど。
垢抜けない。野暮ったい。優雅さはない。だが旨味はガチ。お陰でボディの厚みがよくわからなくなるほど。インプレッションの傾向もバラつくのも納得してしまった。
決して万人受けするような味わいでは無い。
 
が、自分は気に入った。非常に。
現実問題、本ボトルが届いたのは4月だったが、今年に入ってから買ったボトルの中で1番減りが早い。もう半分無くなってしまう。気が付いたら選んでいるのである。本当に。脳があの旨味を欲しているとしか思えない。
 
そんな訳で、おそらく今年1ショッキングな出会いになるであろうボトル・・・いや銘柄。多分定期的に追う事になると思います。ええ。


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