ふるさと納税の落とし穴!ワンストップ特例の『適用外』に注意しましょう。

 確定申告をしないサラリーマンは、「ワンストップ特例制度」を利用してふるさと納税をすることが可能です。この制度は、ふるさと納税が簡単にできることが最大のメリットですが、いくつか注意すべき点があります。

 『正しく申請したつもりが、税金が安くなっていなかった・・・』
 『過去の年分を遡って確定申告をしたら、住民税が追加で請求された・・・』

 これから申請する方(あるいは既に申請した方)は、損することのないよう、下記の点にご注意ください。

 ※この記事では、ふるさと納税の制度やメリット等については記載していません。

1.確定申告をすると、ワンストップ特例申請は適用されません

 経験上、このパターンで損をしているケースが最も多いです。ワンストップ特例申請は、確定申告をしない方へ向けた『特例』措置ですので、確定申告をした場合は申請が無効になります。

 確定申告をする場合(例えば、医療費控除を追加する方や、住宅ローン控除の初年度の方)は、返礼品に同封された寄付金受領書(証明書)を添付した上で、第一表『寄附金控除』と、第二表『寄附金控除に関する事項』と『住民税に関する事項』の『都道府県・市区町村への寄附』の欄に漏れなく記載する必要があります。

 ≪確定申告の記入の仕方≫ 
 第一表『寄附金控除』・・・寄附した金額ー2,000円
 第二表『寄附金控除に関する事項』・・・寄附先と寄附した金額
 第二表『都道府県・市区町村への寄附』・・・寄附した金額 

 過去の年分を遡って確定申告をする場合も、その年にふるさと納税をしていたか必ず確認しましょう。ふるさと納税をしていた場合、それまで住民税で適用されていたふるさと納税による控除が無効になるため、場合によっては追加で住民税を納付することになります。

 とにかく、確定申告をする場合は、ふるさと納税分の記載が必要と覚えておきましょう。

2.6以上の市や町へ寄附すると、ワンストップ特例申請は適用されません

 ワンストップ特例申請は、6以上の市や町に申請を行うと、(6以降の寄附分だけでなく)全ての申請が無効になります。ワンストップ特例申請でふるさと納税を済ませたい方は、多くとも5つまでに留めておきましょう。

 なお、1つの市や町で複数の返礼品を選択した場合は1カウントとなります。あくまでも、申請する市や町の合計で5つを超えないことが重要です。

3.ワンストップ特例申請後に引っ越しをすると、ワンストップ特例申請は適用されません

 ワンストップ特例申請書には、寄附時点での住所を記入します。しかし、申請書に記載した住所と、翌年の1月1日(住民税の賦課期日)の住所が一致しない場合、ワンストップ特例申請は無効となります。ワンストップ特例申請後に引っ越しをした場合は、忘れずに確定申告をしましょう。

4.ワンストップ特例申請が無効となった場合、どうすればよいか

 申請が無効となる場合、お住まいの市区町村からその旨の通知が必ずあります(通知するよう、税法で定められています)。ワンストップ特例申請が無効になってしまったら、確定申告をして(あるいは確定申告をやり直して)無効となった控除を取り戻しましょう。

 確定申告はスマホやPCなどを用いて自宅からもできるようになりましたが、毎年申告をしているような方でなければ、最寄りの税務署に連絡し来署して申告相談することをおすすめします。

 理由としては、申告書の正しい記載(入力)方法を覚えるためです。次回以降は自分ひとりでできるよう、一度税務署で申告をすると良いでしょう。

 また、スマホやPCでの申告では、修正の申告(更正の請求)が難しいという事情もあります。

 税務署では、年々このふるさと納税適用漏れの方の対応が増えていると聞いています。事情を説明すれば、必要書類や手続きが案内されるでしょう。

 おわりに

 ワンストップ特例申請は、意外な理由で「無効」となってしまうことをお伝えさせていただきました。

 特に、ふるさと納税をした方で、確定申告をする予定のみなさん。ワンストップ特例申請だけでは、ふるさと納税の控除が受けられません。確定申告の際は、ふるさと納税分の寄附金受領書の添付と、該当箇所への記載を忘れずに行いましょう。


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