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手紙

部屋の片付けをしていたら、受け持ちの訪看利用者さんから頂いた手紙が出てきた。
現場から離れてもうすぐ6年。
手紙を頂いてたことも、こんなに訪問を楽しみに待ってくれていた方が居たことも忘れていた。
色々、振り返って思い出した。
誰が訪問行っても、暴言を吐いて頑なに拒否して受け入れてくれない方が自分を受け入れてくれた日。
両踵に出来た大きくて深い褥瘡。在宅で治癒させるのは難しいと悩んだけど、暴言を浴びながらも、話しかけて処置を続けた。
家に入る前は胃が痛くなることもあったけど、、
バルーン交換も激しく拒否されて泣きそうになりながらも、、
一貫した態度で話しかけて、リフレクソロジーを取り入れたりしながら接した。
だんだん小さくなって治癒していく褥瘡を携帯で写して見せて。その時、やっと笑顔が見れて受け入れてくれた。
治るとは思わんかった。あんたが治してくれるんやな。頼んます。って。すごく嬉しかった。
認知症があったので忘れることもあったけど、訪問の日はカレンダーの印で覚えてくれてた。

冬になったら鮭粕汁を作って待っててくれるお宅。
ものすごく美味しかった✨
ご主人が趣味で集めてる日本刀のコレクションを見せてくれたり、株の話しを教えてくれたり、色々と勉強になった。

受け入れてくれなかったら、病院長と理事長へ直でクレームの連絡を入れるお宅。
吐きそうになるほど緊張した。
どうやってうちとけたのかも覚えてないけど、、
来れるだけ来て欲しい。と言ってくれるようになり、一緒に食べようと待っとった。とヘルパーさんに頼んで食事を用意してくれてたり。
女学校時代や従軍看護婦時代の話しを聞かせてくれたり、そんな話しを聞くのが大好きで、すごく可愛いがって頂いた。

学生時代に訪問でお邪魔してて
出戻りで戻った時も覚えててくれた方。

美空ひばりさんの歌が好きと話したら、いつも曲を聴かせてくれたり。ayuちゃんのことも知ってるよ。と話してくれた方。

淡路島の自慢の畑で獲れた玉葱や白菜を収穫する度に分けてくれた方。

マッサージとリフレクソロジーを、その仕事でも食べていけるよ。と褒めてくれた方。

生まれた時から重い障害があって、若くして寝たきりになってしまって。発語も笑顔も無かった方が、携帯でYouTube動画を見せたら、、ものすごく興味を示して笑顔を見せて、問いかけに返事をして。
家族の方は、諦めてたからすごくびっくりしてた。
毎回の楽しみがリハビリの最後にYouTube視聴。
笑顔と発語が増えたのが凄く嬉しかった✨

利用者さんの中で、1人一番若い人が歳が近くて話すのが楽しかったなぁ。呼吸器装着してたから筆談だったり、携帯アプリを使って音声会話にしたりして。

他にもたくさん素敵な出会いがあった。

良いことばかりではなくて、力になれないまま最後をお見送りすることもあったり、大変なことや、1人で対処出来るのか不安で逃げ出したい時もあった。
そんな時もあったけど、仕事が好きで生き甲斐に思えて、自分を受け入れて待ってくれてる人が居たのは幸せなことだったんやなぁ。と思う。

自分が倒れてしまって、突然消える形になってしまったのが悔やまれる。

もう100歳超えた方も何人かいるけど、ご健在でいてくれてたらいいなぁ。

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