桜梅桃李 紅蘭紫菊

恩義口伝(おんぎくでん=日蓮様の弟子の日興さんが日蓮様の言葉をまとめたとされる書)によると、日蓮様は「桜梅桃李(おうばいとうり)の己己(ここ)の当体を改めずして無作三身と開眼す」と述べられているそうです。桜は桜の、梅には梅の、桃には桃の李には李の、いずれも独自の美しい花を咲かせるのだから、その特徴を何ら改める必要などなく、そのままであれば良いのです、ということのようです。

 いつの日にか 月日が経てば樹木は枯れてしまいますが、それまでの間、季節が来れば忘れることなく美しい花を咲かせ、私たちを楽しませてくれます。草木の手入れをすれば、心身がゆったりするのはやはり草木のエネルギーをいただいているからでしょうね。若い時には若い時の全知識をもって自分はこうありたい、こうあるべきと考え、歳を経てもなかなかに柔軟な心にはならず、頑ななままに日々過ごしてきたように思いますが、持って生まれたものを個性とし、誰でもない本来の自分を見つめて日々過ごしたいものです。

桜梅桃李 紅蘭紫菊 = おうばいとうり こうらんしぎく

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