桜切るバカ、梅切らぬバカ

  何をどう勘違いしたのか、今年の桜は早い。桜が咲きだすとTV番組では朝から晩まで桜の名所から生中継をしてくれるのだが、どうにも気になることがある。植物、樹木特に桜は根元を踏まれるのを嫌う。植物の根が地下でどのくらい張っているかというと大凡広がった枝と同じくらいと思っているが、絶景を写すために樹木の根元を踏んでしまうのはいかがなものなのか。
特にソメイヨシノはクローンなのでヤマザクラと違い寿命が長くはない(60〜80年という説もあるようだ)。公園に植えられたソメイヨシノの周りを子供が駆け回る光景はとても和むものなのだが、せめて根元数メートルは保護してはいかがが。とはいえ、ソメイヨシノが誕生してまだ百年、しっかりと手入れをされているものは元気に今年も花を咲かせている。桜切るバカ、梅切らぬバカとはよく言ったもので、要らぬことをすると桜は咲かない。玄人に学ぶことは大事。昔からの手入れ方法は理にかなっている。公園に桜が咲き、チューリップが咲く花壇の周りには子供が遊んでいる、そんな風景が当たり前の時代が長く続きますようにと願うばかりだ。


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