一人の心なれども

 論語には「君子は和して同ぜず、小人(しょうじん)は同して和せず」とあるそうだ。 君子とは、徳高く品位ある人格者のことをいう。 小人とは、徳なく器量の小さな人、利害で動く人間のこと。

 君子は無益な争いをせず、誰とでも調和するものだが、自分の信じて、是とするところは堅持し、信念を忘れてまで人に合わせるようなことはしない。小人は、是非をわきまえることなく、煽動に乗って考えがないままに,他人の意見にすぐ同調する傾向が強い。自分にしっかりとして理念(物事のあるべき状態についての基本的な考え)がないので、小さな利害問題でたちまち仲間割れをする。これは学校、会社、コミュニティーどこの世界でもあることだ。それによって無駄になる時間はあまりに多い。誠に残念である。

 和して同ずる。
一人(いちにん)の心なれども二(に)の心あれば、
其(その)心たがいて成(じょう)ずる事なし。
百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず。
である。

 さて、己の魂は健やかだろうか。


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