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本文が2色刷りになったことについて

「情報可視化入門」は本文が黒と青の2色刷りになりました。2色刷りはありがたい一方で、多少なりとも色を扱う本という観点では、ここにも苦労がありました。

ちなみに、ゲラ刷りの段階では、色はシアンだったのですが、最終的には青になりました。最終的な色は本になって初めて見たのですが、ノンブルや節番号のあたりの色は結構気に入っています。

黒と青の2色刷りになったことで、元の資料からは色を変えた部分が多々あります。色の3属性(図3.3)の右側(彩度と明度)は、元々は赤を使っていましたが、青に変更しました。バラ形のグリフ(図8.12(c))については、下のような図を用意していましたが、こちらも青の単色に変更しました。

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(補足)「グリフ」とは可視化手法のひとつで、ひとまとまりの図形で多変量データを表すことができます。バラ形のグリフでは花びらの枚数、色、大きさで3変量を表すことができます。上の図は花びらの枚数と色を変えた例を示しています。(詳しくは8.8グリフ)

2色刷りはありがたい一方で、多少なりとも色を扱う本という観点では苦労もありました。黒の1色刷りなら、色相や彩度による表現は諦めるということで、話は簡単です。しかし、青だけでも使えるとなると、いろいろと欲が出てしまいます。できるだけ効果的に、しかしながら、本文中で説明する色の使い方にできるだけ反しないように、青を使うように努力しました。

それでも限度があるため、3.2節に「本書は2色刷りのため、色相による表現に制約がある」という注意書きを追加することにしました。たとえば、色相による区別(たとえば図7.3)が、見かけ上は彩度による区別になってしまいました。そのような変更は他にもたくさんあります。そのあたりは注意して、時にはあまり気にせずに読んでもらえればと思います。

情報可視化における色の使い方については、ある程度分ったつもりでいましたが、「2色刷り」という制約については、これまで考えたことがありませんでした。急遽、CK色空間(?)における効果的な色遣いの研究を始めようかと思ったくらいです。その時は思い留まりましたが、そのうちに、もう少し考えてみたいと思います。もっとも、印刷業界ではすでに研究されているのだろうと思います。

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