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WWDC19騒動顛末記

早朝7時始動

 WWDC19開幕の前日は朝7時からレジストレーションのためMcEnery Convention Centerに並ぶ。この日は早朝から気温が低く、日陰に並ぶ我々は寒さに震えるほどだった。しかし、2時間程度並んだ末にやっとセンター内部に入ることができ、参加者用カード、ジャケット、マグネットバッジ各種を受け取ってこの日のスケジュールは無事終了、、、のはずだった。

 実はこの後、我々ゆめみの参加メンバーは、Apple本社があるApple ParkやInfinite Loopに向かう計画を立てていた。そしてこの日は、ティムクックとの握手ビデオで有名人となった学生のOZさんと、計画通りレジストレーションの後、Apple Parkに向かうことになった。(※ちなみにOZさんのビデオを撮影したは何を隠そう私である)

 会場からほど近い場所からUberに乗ろうとスマホを操作していると、我々の前に「何やらサイドガラスに紙を貼り付けた怪しいテスラ車」が停車するではないか。なんと無料で(おそらくWWDC参加者を狙って)行きたい場所に送迎してくれるらしい。

怪しさ爆発である。

 しかし、サイドガラスに貼られた紙は、近づいて詳しく見るとSwiftプログラミングコードが書かれている。よくよく話を聞くと、どうやら彼は2009年からサンノゼでiOSのエンジニアをしていて、今年はWWDC19参加の抽選に外れたらしい。ガッテン。そう言う事なら分かる気もする。日曜日だし、ここら一帯はお祭り騒ぎだし、何かに参加して少しでも祭りの気分を味わいたいし、WWDC参加者を助けてあげて、感謝されたら良い日曜日になりますよね?

いい人じゃないか!

 同僚のXIさんがやりとりして7名のうち4名が乗車することになった。他の3名はUberで来るしかない。彼らを置いて一足先にApple Parkに向かう。フリーウェイに乗った後の、テスラの加速すごい!ドライバーの彼は少し自慢げにアクセルを踏み込んで加速しては、平常運転に戻る。

 と言うわけで、無事ApplePark Visitor Centerに到着。ありがとうございました!しばらく外のテラス席で日光に当たりながらくつろぎ(なにせレジストレーションで並んだ2時間の間、最後はずっとブルブル震えていたので、サンノゼの日光が気持ち良い。気温差ありすぎ!)さあ、お店に入ろうかと席をたったポケットを確認すると、

ナイ

アレ?

私のケータイ、、、ナイ

カバンにもポッケにもどこにもない?
出がけにSYさんの荷物を私のホテルに一時預けるために立ち寄ったけど、その時に置いて来ちゃった?

「iPhoneを探す」を起動!

う〜〜ん、ココどこじゃ?

 iPhoneを示す地図の上にはみたことも聞いたこともない場所が表示される。何が起こったのか、数秒間思考が停止した。

 落ち着け、さっきのテスラ車で落としてしまったとしか考えられない。通常お尻のポッケのiPhoneはどこかに座る時は必ず取り出すようにしているのだが、バタバタと知らない車に乗り込むことになって、ちょっと慌ててしまったんだ。

 しばらく地図を眺めていたが、iPhoneは動かないので地図上のここに停車しているようだ。

 さあ、困った。Uberとは違って、どこの誰だかまったくわからねえ。地図上におそらくテスラの停車位置が示されているが、どうやって連絡すれば良い? 仮にここにUberを呼んで地図上の場所に移動したとして、その間彼がずっとそこに止まっている可能性は低い。下手をするとUberに乗ってあの爆速テスラを追いかけることになるかもしれない。しかも、このままだと、最悪iPhoneのバッテリーが切れて完全に行方不明になるかもしれない。

それだけは避けたい!

 実は私のiPhoneのケースには、他にもいろいろとヤバイものが一緒になっている。例えば私のクレジットカード・・・パスポポートと少々の現金は手元にあったが、他のもろもろは Gone with the iPhone...

 呆然とする私にアドバイスをくれたのは、OSさんだったか、ASさんだったか、YDさんだったか、いや他の誰かだったかもしれないが、ちょっと記憶にない。

 多分アドバイスによって気づいたのだと思うが、「iPhoneを探す」には紛失モードに切り替える機能がある。そう言えばMacで使ったことがあるが、iPadでもいけるのか。(そりゃそうだ)この紛失モードをオンにする時に、当該の紛失したiPhoneをロックすると共に、持ち主の電話番号、メッセージを書き込むことができるのである。

 近くにいたメンバーに聞くとあいにく今はデータ通信用の電話番号しかないとのこと。しばらく考えた末にメッセージを「ごめんなさい、AppleParkまでiPhone持ってきてもらえませんか」と記入した。気が動転していたので、この登録をした後で再度(電話番号が記入できるように)編集可能かどうか怪しかったが、まず保保存してしまった。

一歩間違えば、この判断は命取りだった。

 結果的にこのメッセージなどは後から変更できることが分かって事なきを得たのだが、慌てていると物事を冷静に判断することができない。まずは利用可能な電話番号を持つ知り合いに、時間を掛けてでも状況を説明して、頼んで、電話番号を入力すべきだった。相手との連絡手段を確保しなければ、全ては永久に失われてしまったかもしれない。

 さてここで疑問に思った方もいるだろう。
そもそも「iPhoneを探す」は同じAppleID登録機でのみ動作する。しかも両者がどちらもWi-Fiかモバイル回線に接続されている必要がある。日本なら不思議じゃないけど、ここは米国サンノゼだ。

 実は落としてしまったiPhoneはまさに前日までモバイル回線に繋がっていなかったのだ。このiPhoneは日本ではメインの端末でDocomo回線。米国出張のためにSimを入れ替えるとか面倒だし、あまりいじりたくない。パケットパック海外オプションというのもあるのだけど、私ん家はデータ通信量が家族とシェアされているので米国で使いまくると上限に達して家族に迷惑がかかるかもしれず、基本的にはサンノゼでは使うつもりはなかった。

 最近購入したiPad mini5に、海外Simを挿して米国ではメインはこちらと考えていたので、iPhoneは多分米国内では使わぬなと思っていた。まあ念のために上述の「パケットパック海外オプション」だけは利用可能な状態にして、しかし利用しない状態にしていた。

 それがなぜONになったのか。それはBirdとLime(電動スクータ)に乗るのにiPhoneが便利だよね?、とか、写真撮るのにやっぱiPhone Xのカメラ使いたいとか、iPhone Xを使いたくなってきたからである。そして「パケットパック海外オプション」を利用開始したのが、前日の夜。多分、おそらく、想像するに、この利用開始をしてなければ、そもそもiPhoneをポッケに入れていなかったはずだ。だから必然的にこの大問題は回避された可能性はある。因果関係がこんがらがっているが、いずれにしても危機一髪だったことには間違いない。

 しばらく、AppleStoreのカフェでなぜか「iPhoneを探す」の地図を見ながらくつろいでいた我々だが、待てど暮らせどテスラに全く動く気配がないことに業を煮やして、どうしようかと対策を話し合った結果、XIさんの電話番号を紛失モードで入力できることに気づく。(早く気づけ!)「今から取りに行くから動かないで!!」と再度メッセージを上書きして、さらにUberに飛び乗り、件(くだん)のテスラが停車する場所に移動を開始した。Uberで移動している間、流石に気がきではなかった。

 最終的に、「iPhoneを探す」の地図が示すその場所に到着する1分前くらいにXIさんの携帯に着信があり、「待ってるからおいで〜」となった。あまりにテスラが動かないので、iPhoneの紛失通知の再生音がうるさくて、テスラの窓からiPhoneが捨てられていたらやばい、と5%くらい危惧していたが、申し訳ない。

やっぱりテスラの彼はいい人だった。

 いろいろと手を貸してくれたゆめみのメンバー、本当にありがとう。皆がいなかったら米国で爆死していました。それに「これも楽しんでいるんで迷惑じゃないですよ。」と軽く言ってくれたOZさんの言葉にも救われました。

ありがとう、みんな!






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