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【自治体経営】マネージャーって難しい⑨ 要求・要望する側の責任

自治体で仕事をしていると市民の皆様や市議会議員の方、各種団体の方々から様々な要望を受けることがあります。わかりやすい例でいえば、道路における信号やカーブミラーの設置、騒音等の問題、子育てに関する支援などなど

最近では、直接的な要求や要望ではないにしても、コロナ禍において、3密を避けることや、緊急事態宣言などを行って様々な活動を自粛の機運を高めるなど感染の拡大を防止する「感染防止対策」すべきであるということとコロナ禍で自粛している人の気分を緩和し、これまでと同様に飲食や旅行に行ってお金を落として、経済の活性化に寄与すべきとういう「経済支援対策」をすべきであるということが言われています。

この二つの対策は、かなりぶつかることがあるため、どちらを優先するかは難しい問題だとは思いますが、このような相反する問題についても、要求や要望する側は、「感染防止対策を図りつつ、地域経済も低迷しないよう周知啓発や支援を継続すること」という一見すると実現可能性をあまり考えないような要求や要望になっていることがあります。

コロナ禍の対策は仕方がない面もあると思うとともに、ここまで極端な形で実現可能性を見ない要求や要望はないにしても、その他の事例で総花的に要求や要望してくるケースは多くあり、その両方や複数は取りえないものであっても、力強く求めて来られることは、よくあることです。

我々は税金を払っている側であるから、それは自治体で考えるべきことだと言うこともわからなくもないのですが、総花的な要求や要望する側の「責任」はないのかな、市民の権利に見合った要求や要望なのかなと考えてしまうようなものも中にはあります。

以前のNOTEの⑥で公共的資源の配分割合について投稿したのですが、自治体は新たに財政的な資源を獲得するということは非常に厳しいため、今ある財源の配分割合を変えるしかないという内在的な制約があることと思っております。このため、そのような総花的な要求や要望に機動的に対応することは本当に難しいと考えています。

最近のニュースでは、都道府県や市町村を問わず、来年度予算要求に際し、現行の予算枠に一定の率を掛けて削減するという「マイナスシーリング」を設定する自治体が増えていると思います。これは、先ほどいった配分割合を変更するため、今ある予算を少しでも削って、かき集めて、割り当てるしかないという現状を表していると思いますが、そうした中、コロナ対策以外の総花的な要求や要望をする側の方についても、機動的な対応ができにくいとう、公共の内在的制約への理解も高めていただきたいなあと思っております。

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