シンデレラガール総選挙、Vのシャニマス案件、オタクの序列

 CG総選挙も終わって久しいですね。何か書こう書こうと思いつつ何となく遠ざかっていたけど、ちょっとまとまったような気がしたのでここに書きます。

 今年は本選とボイス選抜に分かれた開催でした。本選結果については別に書きたいことがたいしてないので略。ということでボイス選挙。辻野砂塚でワンツーフィニッシュ、つかさ社長が3位。たべるんごのうた強しという感じでした。ネットでバズっているものが強いということを再確認させてくれます。もっとも誰かが意図してバズったものというわけでもないので、勝ち方の参考とかにはしにくいです。つかさ社長陣営はどうして勝てたのかわからないみたいな話が陣営自体から出ていてダークホースだったな、と思います。

 さて、今回は投票券がたくさん買えるようになり、無課金票の比重が低くなりました。バズって広く浅く票をさらうことをしにくくしていて、去年の騒動を受けての仕様でしょう。それでもりんごろうさんが勝っているのですが、それはそれとして。戦略として、総選挙投票券とボイス投票券がセット販売されていることから、総選挙側とボイス側で票交換をすることの有効性が語られました。全く正しいな、と思います。その結果来年に向けて役に立ちそうな方策はというと、①金を貯める(現金は強いので)②人脈を広く作っておく(交換相手を用意する) がメインになるでしょう。なんだか現実社会で強い人間が持っているものと同じですね。オタクの世界でもこうなっているのか、現実社会から降りたくてオタクをやっているんですが……と思ったので、僕は総選挙へのモチベーションがすごく落ちました。

 話は飛んで、10月23日。バーチャルユーチューバーの月ノ美兎さんと樋口楓さんがシャニマス公式の案件として2.5周年記念配信を行い、ゲストとして声優さんを呼ぶ、というイベントがありました。前半のVのお二人のオタク話も、後半の声優さんとのやり取りも面白かったです。一方僕の心の中でわだかまっているものがあったのでそれを言語化しておきます。一言でいうと、バーチャルユーチューバーはエリートオタクなんだな、ということです。

 全然別の機会で、シンデレラガールズの声優さんの番組に、Pだとそれなりに知られたVの方がゲストで呼ばれたり、その方の担当アイドルの声優さんと定期的に放送することが決まる、ということがありました(オタクの見苦しい嫉妬心がつまっている文章なのでそれが誰か明言しません)。それとはまた別で、少し前になりますが、Pである陸上選手の方が、その担当アイドルの声優さんに、担当アイドルの声で、応援してもらう、みたいなことがあったと風の噂で聞きました(略)。繰り返すようにただの嫉妬なのですが、法の下の平等とか神の下の平等みたいに、担当Pもアイドルの下では平等に1人の人間でしかなく、特別扱いされることはない、とナイーブに思っていたので、すごく変な気分になりました。オタクの世界では現実社会に存在するような序列や階層からは自由であれるはずだと思っていました。でもそうではなくて、社会的に優れた能力があるオタクは、Pとしてどうとかとは関係なく、公式、コンテンツの作り手から特別な扱いを受けることができる。もしくは受けることがある。

 話をVとシャニのことにもどします。Vの配信が僕は好きで結構見るのですが、まあ話がうまいです。面白いです。僕が人気な方しか見てないからかもしれませんが、裏を返すと盛り上げがうまい人しか上にいけない世界なのでしょう。シャニマス配信については、ガチャ配信だけしてそのままじゃん、とか言う人もいますし、実際そういうVの方もいますが、WINGまでやってる方も相当いますし、ストーリーとしっかり向き合った良い配信もかなりあります。感受性とか、その感じとったものを人に話す能力が優れているのでしょう。あるいは、これはシャニマスがテキストとして優れているから出来ることだと言い換えてもいいかもしれません。

 シャニマスでも界隈みたいなものがあります。そこではイラストなりストーリーなりについシャニマスを誉め称えた文章があって、たまにバズっています。感想屋がどうこうみたいな話題が流行ってるときがありましたが、似たような感じです。ツイッターには自分が界隈でどれくらい認知されたかを数字で示す機能があるので、その数字から承認欲求を満たしたり身勝手にその数字や人気に嫉妬したりすることができます。 自分がいかにシャニマスをわかっているかの競争の中に構造的にはめこまれています(そうであるかのように感じることができます)。自分の界隈での影響力を自覚して解釈を自重してください、みたいな怪文書がマシュマロで届くことがあるようです。コンテンツを楽しんでいるだけのアルファオタクには迷惑な話ですし実際理不尽ですけど、オタク世界でも能力差を意識させられるのはしんどいという気持ちだけは理解できます。

 シンデレラガールズの世界でもほぼ同じです。界隈みたいなものがあって、その中心人物が好きなものが漠然と流行ったりすることがあります。この供給尊すぎて死んだみたいな誰かのツイートがあったらツイッタラーの名前が一斉に変わって墓場が出来ていたりします。誰が同類(仲間、界隈の一員)だとか誰がリーダーかみたいな集団の力学が動いています。界隈なんてないみたいなことを言っている人もいますが、この人のツイートよく見るな、みたいな、ネットワークの結節点のようなアカウントはいくつもあります。上で総選挙では人脈が重要みたいな話を軽くしましたが、社会性や社交性がオタク世界の序列も決めているのでしょう。

 僕は現実世界に存在する社会集団と個人の力学や能力によるランク付けみたいなものを避けるためにオタク世界にいると自己認識をしているのですが、それでも人気とか承認とか能力序列とか社会性とかそういうものを意識せずにいられなくて、そんな自分を乗り越えたい。そんな話がしたくてこの記事を書きました。最後になりますが、某Pで有名な音楽アーティストのシンデレラガールズでコラボ曲出たらいいなみたいな話をたまにツイッターで見ますが、僕は絶対にやらないでほしいと思っています。では。

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