胡麻鶴さんはつむげない
今日こそ、書かなきゃ。
1文字でいいから、なにか書かなきゃ。
子供のころ死ぬほど見た悪夢の、のびる黒い影が追いかけてくる。めんたまも顔もついていない、大人の身長高めの男くらいの大きさの人型のカタマリが、恐怖さえ感じるほどのスピードで。
走るのが遅くていつも学校で笑われていたわたしなのに、いつも何故か簡単には捕まらない。鉛をつけられたように足は重たい。もっと自転車のように脚を回転させてヤツとの距離を稼ぎたいのに、重量級のこの身がそれを許してくれない。
必死で逃げているので景色を見ている余裕なんてないけれど、毎回場所は少しずつ違って、マンションの敷地内だったり家の中だったり、駅前の大通りだったり、反対口の駅前だったりする。今回は駅前の大通りのようだ。
やがて視界の、地面が近くなる。転びそうなのが反射的にわかる。
もうゲームオーバーか、ついに捕まってしまうのか。
諦めかけたその時、遠く彼方から強い引力で引っ張られるように、ものの一瞬でグレーの世界に引き戻される。そしてそれが、自室にしかれた絨毯のような床の色であることに気づいた時、今まで見てきた、体験してきた世界が夢であったことを自覚させられる。
こんな早朝を、幾度繰り返した子供時代だっただろう。
今となってはこのような夢を見ることは滅多にない。が、ここ5年で味わっている感覚としては子供の頃のそれとかなり酷似しているので、実質、今もあの悪夢を現実生活において見続けているのと相違ない。
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わたしは、書けない。
5年もの歳月を、書きたいのに、書く気はあるのに、どうも書けない、という葛藤で埋め尽くすように過ごしてきた。
だけど、今年こそは "書ける側" に戻りたい。
そう思って、このたび本マガジンを立ちあげるに至りました。
不定期更新です、と言い訳して書くことから逃げたい気持ちは山々ですが、今日は書けそう、と思った瞬間このテキスト編集画面を開くことにします。目標は毎日、きつくても週一回は。
この宣言を守れていなかったら、読みに来てくださったそこの貴方、どうか私を叩き起しに来てください。
今回のぶん、これにて終わり
余談:今回の写真は、2020年初旅行、湯布院での景色です。カメラはCanon Autoboy-Aを、フィルムはKodak GOLD200を使用しました。
少しでも胡麻鶴に何か感じるものがあった方、サポートも是非お待ちしております! なお、頂いたお布施は、脱・子供部屋おばさんのための資金や終活など、大切に使わせて頂きます。