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悪魔憑きは殺さなければいけない (プロト1

 この荒野に何種類もの死体が転がり、散らばっている。自分はそれらを無視して目的の場所に向かって歩を進める。この災害の中心から外れ、破壊された馬車に向かって。 悪魔憑きは殺さなければいけない。  左手に長剣、右手にナイフを構え、馬車まで残り50歩のところで 「それ」が現れた。壊れた馬車の戸を難儀そうに細い腕で押しのけて、周囲の状況を用心深く観察し、豪奢な衣装に気をかけながら、こちらに鋭い視線を送る若い女の姿をした「それ」が現れた。  自分は駆け出した。「それ」を殺すために

    • 悪魔憑きは殺さなければいけない

      今、姫の乗る馬を引きながら、この先を考えているが碌な未来が見つからない。  姫は悪魔憑きの被疑がかかっているが今自分の判断では殺すことはできない。協会本部まで連れていき、判別する必要がある。それまで目を離すことはできない。  姫の従者は俺を決して信用せず、駄馬を駆りながらを俺から注意を逸らしはしない。先の戦闘で二人を守ったが信用を得ることはできなかった。 「いつまでこの荒地が続くの!私はともかく姫様は一度湯浴みしていただなければいけません。埃と泥汚れを落とし、髪を洗い、

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