コロナショックとリーマンショックはどう違うのか。

コロナウィルスによる経済の悪化は、リーマンショックとどう違うのかを解説していきたいと思います。

まず世界を企業だと例えると、リーマンショックはBS(バランスシート)が悪化した(正確に言いますとバランスシートの粉飾が暴かれた)事で、金融システムが崩壊し、金融システムが崩壊した事により実体経済に悪い影響が出てきたという流れでした。

一方、今回のコロナショックは、ウィルスの蔓延によりまず実体経済のPL(損益計算書)が悪化し、その影響が今後金融システムにも波及してくるという流れです。

リーマンはBSオリエンテッド、コロナはPLオリエンテッドの不況だと理解しています。

リーマンショックは金融システムが崩壊し、それに依存していた不動産業は即死するところもありましたが、その他の実体経済は金融システムがの崩壊により徐々に不況になっていきました。底打つのには2年以上の年月がかかりました。金融システムの回復にかなりの時間が必要であったからです。

コロナショックは、顕在化とほぼ同時に実体経済が一気に悪化しました。金融システムは今のところリーマンショックの時のように崩壊はしていません。実体経済が一気に厳しくなったことで、今後金融システムに波及してくる可能性があるということです。

逆に言いますと、金融システムに波及しないような方策を政府が打ち、金融システムに波及せずに終わらせられれば、比較的急回復するのではないかと思っています。

問題は政府がそのような政策を打てるかどうかです。

もちろんウィルスですから、これから変異したり、今考えられているようなスパンで収束しないという可能性もあります。

ですからあくまで数か月という常識的なスパンでコロナが収束していくという前提での話です。

アメリカは持てる限りの力をすべて使ってと言っていいほどの経済対策を打ってきています。(総額2兆ドル(約220兆円)規模の経済対策を既に議会で可決しており、追加も検討しているようです)

一方、日本は緊急事態宣言と同時に108兆円規模の経済対策を打ちだしましたが、その中身を見ると真水(政府の財政支出)は39兆円であり、その中で26兆円は法人の税及び社会保険料の猶予です。猶予ですのでどこかでは支払わなければいけないので、ほんとうの意味での真水とは言えません。その他、中小企業や個人事業主への現金付与、個人貧困層への現金付与等も盛り込まれておりますが、合算しても6兆円規模であり、とても落ち込みを埋めるのに十分な規模とは言えません。

今回のコロナショックを早期に克服するには、前述の通り企業の倒産を防ぎ、個人の自殺を防ぐ、そして金融システムに波及しないようにするというのが絶対に必要なのです。

日本は絶対に追加の経済政策が必要です。中学生でもその真実がわかるような、官僚が作った水増し経済政策でお茶を濁している場合ではないのです。


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