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米大統領選に揺れる為替市場、ヘッジファンドの動きに注目

2024年の米大統領選挙が接戦を迎える中、為替市場もその行方に大きな影響を受けています。トランプ前大統領とハリス副大統領の対決は、アイオワ州の世論調査結果をきっかけに予想以上の接戦模様となり、ドルの動きに対する投資家の戦略を揺さぶっています。今回は、選挙情勢が為替市場やヘッジファンドのポジションにどのような影響を与えているかを掘り下げてみましょう。


ドル安に賭けるヘッジファンドたち

選挙を目前に、アイオワ州での接戦が伝えられたことで、多くのヘッジファンドがこれまでの強気なドルポジションの見直しを迫られています。民主党のカマラ・ハリス氏が勝利した場合、ドルの下落が見込まれることから、豪ドルやユーロのコールオプションの購入が活発化している模様です。バークレイズ・バンクのムクンド・ダガ氏は「ドルに対してユーロや豪ドルでのドル安ポジションが取られつつある」と述べており、ヘッジファンドがこのドル安リスクに備えた投資戦略を強化していることがわかります。

選挙結果によるドルの変動予測

選挙結果によってドルの動きはどう変わるのでしょうか。シティグループのストラテジストによると、トランプ氏が勝利した場合、ドルは最大で3%上昇する可能性があり、逆にハリス氏が勝利すれば2%の下落が見込まれています。これにより、多くの投資家がハリス氏の勝利を想定したドル安のリスクヘッジに動いているのです。

通貨オプション市場で見られる変動

米証券保管振替機構(DTCC)のデータによると、ユーロ・ドルのコールオプション取引量はプットオプション取引の2.5倍に上っており、ドル安を見越した取引が急増しています。また、豪ドルも同様のトレンドを示し、こちらもコールオプションの取引量がプットを大きく上回っていることから、ドル安に対するヘッジが広がっていると見られます。

市場のボラティリティの急上昇

ユーロ・ドルの1週間物インプライドボラティリティ(予想変動率)は2023年3月以来の高水準に達し、豪ドルでも22年12月以来の高水準となっています。AVMキャピタルの最高投資責任者アシュビン・マーシー氏は「ハリス氏の勝利で関税の懸念が弱まれば、米国への主要輸出国の通貨が上昇し、ドルは直近の上昇幅をほぼ失うだろう」と予想しています。

まとめ

今回の米大統領選挙は、アイオワ州の接戦によりドル相場に新たな動きをもたらし、ヘッジファンドや投資家がドル安を見越したポジションを強化する展開となっています。選挙結果によってドルが上昇するか下落するかが不透明な今、豪ドルやユーロに注目が集まっているのです。選挙結果がどのように市場を動かすのか、今後も注視が必要です。

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