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【電験・技術士】配電系統における高調波について

キーワード:高調波について整理します。

1.高調波の発生原因と環境目標レベル

高調波は、基本波(=東日本50Hz,西日本60Hz)の整数倍の周波数をもつ正弦波であり、電流のひずみとなる。
整流回路を持つインバータやサイリスタを利用した制御を行う電子機器が動作する際に発生する。

半導体のON・OFFと平滑コンデンサにより歪んだ波形の電流が発生する。この電流には、所望の周波数より高い周波数(高調波)が含まれており、これが配電系統に流出する。

高調波環境目標レベルは、総合電圧ひずみ率が6.6kV配電系統で5%、特別高圧系統で3%を維持するようにガイドラインにて示されている。

2.重要と思われる高調波対策

①アクティブフィルタの設置

高調波に対して、逆位相となる電流を流すことによって、高調波電流を相殺する。負荷の追従性が高く、高調波の低減率が高いという利点があるが他の対策に比べて高価である。

②進相コンデンサに直列リアクトルを設置

真相コンデンサに直列リアクトルを設置し、コンデンサの負荷を誘導性にすることで系統側への高調波流出量を減少させる。

③PWM制御機器の導入

正弦波に近い波形を出力することができ、出力に含まれる高調波を減少させることができる。PWM制御できない機器もあることから、すべての発生源を置き換えることは難しい。



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