おかざきアートのるつぼ2023
写真は『告知』
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2023/08/18 初稿
2023/08/20 加筆修正
2023/08/22 気が抜けていたため追記
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岡崎市には三つの美術館があります。
「おかざき世界子ども美術博部館」 敷地内にはキッズどもに人気の怪しいきのこ遊具や、館奥の裏庭にはドラゴンズファン納得の龍立像もあったり、運営者はサルバドーレ・ダリのファンボーイだったりと文字通りキッズどもにお勧めの楽しい♪ 楽しい♫ 館。
「岡崎市美術博物館」 我がの住まいとして力づくでも頂きたい立地と建築物ということはあまりにも有名な話し。所有欲求そうした意思表明を示すものの館側から一向に音沙汰なく、大変不服が募る日々であります。が「世の中てめえの思い通りになんでも行くわけねえじゃん」ということを思い知らされる修行の♪ 館。
「岡崎市美術館」 ちょっと私は……存じ上げませんね。という認知でございましたが、この度『おかざきアートのるつぼ2023』の開催を知り、これは皆さんへ伝えたい観て欲しい募る想いを発露する良い機会だとこの度作品を出展しました。「館を力づくでも我が城にしたい」などの本音を隠匿したため、目立ったお咎めなく無事展示。本件は其処までの経緯と作品解説を銘じる回でございます♪ 館。
2023年8月16日(水)
岡崎市美術館。立地は岡崎市警察署のすぐ隣! といっても実はなんだかんだで歩くんでしょ? 不動産会社の駅近五分って直線距離での計測。そんなもん戦車で強行突破でもしないと叩き出せない時間と同じ。などと思っていると……直ぐだった。
・岡崎市美術館 現着
本当に警察署の真隣だった! 人によっては緊張感が走る立地そびえる岡崎市美術館。外壁は煉瓦タイル張りで建築物からは昭和の匂いが漂い、私はそうしたものが好きか嫌いかでいうと、どちらかという好きであり、駐車場に車を駐めるなり気分は上がる。
車外へ出ると、上がった夏の陽は鬱陶さを超えて危機を指す陽射しに「うぜえ」という呻きを挙げ、後部座席に寝かしつけた段ボールをむんずと掴み、入館。するなり「誰だてめえ!」と、職員から問われ「字名は市川。名はええっと、どっちだったかな?」本名で登録したか雅号だったか、最近自分がどっちの方か区別がつけづらくなっており、これは後々に困ることが起きるだろうから線引きはしっかりしておかないといけないね。そうしたことを思いつつ文字文字と空間に「市川」という漢字を指で描き始めると、「ゾッとするわ。俺がそれすら読めねえと思うのか?」と、職員さんの声。
「ちょっと待ってろ」と、職員男性は出品リスト一覧と空間に描かれた「市川」を照らしあわすと……直ぐだった。
「ああ、にこで登録されてますね」とのこと。あ、そっちだったか。
「あ、それです」と、伝えると「お前は第二展示室向きの面構えだからそっちへ行け」と厳命を受け、瑞兆漲る番号を貼付され喜んでいると「こっちだ新人。This Way」と、別の女性職員さんが日英混じった言葉で私を拐かし、尊ぶグスタフ・クリムトの右に倣い女性のいざないに付いて行くと……。
「こ…これは」
・第二展示室 現着
表層に油染みたピザ屋の箱がなかったため、スタンダードな段ボール箱に絵を梱包してきてことは正解だった。ある種其処から表現という行為は始まっているのだが、職員曰く「(うす)味悪い箱はお前んとこで持ち帰れよ。ここはゴミ屋じゃねえんだからよ」と、作風なのか実直なのか貶され汚されることが回避出来た。
⭐︎あ、しくったわ。「気」が抜けてた。正しくは「(うす)気味悪い箱は……(省略)」です。
「そもそも、そうした商品に関わる箱を『リアル』として思い違えて持ち込まれても、食べ物類は後々に匂いを發し」と、口にしかかったところで「シッ! 館内ではお静かに!」と、上手くやり込められ、思考を止める。箱というそれ以外も概ね間違えていたようだが、彼女は特に意に介せず過剰に私を冷たくあしらうことはなく、真摯に仕事という行為に向き合う姿勢には見習うべきことが多かった。そうしたことを思いながら床に段ボールを置き「ガサガサ」と音を立てながら箱から絵を取り出す。
「わーお、すげえなコズミック。宇宙じゃん!」という彼女の声に「へへ……ジャズ」と、思わず鼻の下をズキュズキュとやる。
「OK小宇宙ボーイ。じゃあお前の持ち場は其処な。引っ掛けるやつ着けてきたか?」と、問われたので頷き、「(つけて)きた」自慢のヒートンを見せてやる。
「あれ? 紐ねえな……」彼女は眉間を少し立てる。
「11次元だと理解されないから」
「あっ?!」って言われた。
そういう感じの嘘を書いていると長くなるので愚弟が描いた絵を世間のブラザー & シスターに観て欲しいため、ここらで告知と作品解説に結んで終わりたい。☆
ー告知ー
・おかざきアートのるつぼ2023
日時:令和5年8月19日(土)から27日(日)まで
10時から18時ま(ただし、入館は17時30分まで。最終日は13時終了)
※21日(月)は休館
⭐︎和暦のグレゴリオ化は各々でお願いしますね。
作品名:愚底
作者 :市川 にこ
写真 アクリル絵の具 キャンバス(F15号)
2023年8月15日
ー作品解説ー
おかざきアートのるつぼ2023の作品テーマ「自由」とは「執着」「囚われ」「こだわり」の極北にある状態だと考えを起結させ、作成。
岡崎市大樹寺、松平家墓前門に施された徳川家紋を撮影し、キャンバスに印刷後着色。
大樹寺の歴史を遡れば徳川家の祖先松平親忠に到達し、松平の庇護の下、開山したのは勢誉愚底に繋がる。その開山の祖から名を賜り、その読みをフィンセント・ファン・ゴッホの「坊主」の発音「ボンズ」という発音を重ねた。
19世紀欧州で巻き起こったジャポニスム。日本ファンとなったファン・ゴッホは「日本人は賢者であり、哲学者であり、僧侶のような人々だと」思い違いを走らせ、自身を日本人坊主としての自画像、自己理想像を描いた。
『坊主としての自画像』
1888年9月 油彩
・桶狭間の戦い
永禄三年五月一九日 西暦1560年6月22日(水) 敗走後、大樹寺先祖墓前にて自害を企図する後の徳川家康。「まだましな世の中を築きなさい」と、自己に煮凝った家康を諭し、視座を変え使命を与えたのが大樹寺第十三世住持 登誉上人といわれている。
永禄三年五月二〇日 西暦1560年6月23日(木) 後の家康は再び立ち上がり、暗中模索先の見えない激動の中、駒を進めていった。
同月日 西暦2023年6月23日(金) 松平家霊廟前、門に施された家紋を撮影。死と再生。昨日と現在の象徴。底から明けた翌日の「不安」「歪み」動悸乱れる中、今出来ること、歩み始める状態を描きました。
状態への光の当て方により見える物事と、浮かび上がる影の角度大きさは変わるものであり、背景や家紋に光沢剤を使用し現しました。視座や考えとは謂わば光の当て方でございます。これは拘泥の中を歩く一つの方法かと体験から至った考えでございます。
どでかい題目は必要ありません。等身大に抱える問題に対して今出来ることを粛々と行っていくことが大切だと考えております。当時の徳川家康も現在を生きる様々な人も重荷を背負い、足に絡みつく縄の疎ましさというものは変わりません。
遠い未来を見据え飲み込まれる不安から身動き取れなくなることもあるでしょう。そうした時、私はもっと大きな巨大な宇宙ということへ思いを馳せ、特にそれで何かあるかといえばありませんが、続く毎日をやり過ごしていた過去もあります。
今出来ることとは無理に走ることや、走らせることのみに直結しておりません。「動くことが出来ないことが今出来ること」という者も、国家もあると知覚することも一つの執着からの脱着でございます。身動きが取れなくなった方にこの作品を観て欲しい想いはありますが、動けない者を無理に動かす必要はありません。
生命とは天命を全うすることに他ならず、それ以上のそれ以下の意味もないと持論は帰結致しました。
最後に題目「愚底」とは鑑賞者を示しております。名もなき開山の祖が難しい状況の相手を想い、願わくばばそこから生まれる言語や言語外の伝達が執着の結び目に繋がれば嬉しく思いますが、物事は早々単純なことでもないことも自覚しています。
人づてにづてに繋がり、その時々の登誉上人に達することを願っております。
以上
絵を搬入後、岡崎といえば美合であり、入れ籠シティーこと街の中の街ザ☆岡崎イオンタウン美合、そう美合といえばワッパーん家に向かった。
蝦すくいの狂言家でもある南洋の酒井忠次氏を思い、トムヤンシュリンプ・ワッパー・ジュニアバーガーを食べました。味が濃いので直火と合う。おすすめ。