命の値段

子供の頃は本当に死ぬのが恐かったなぁ。
小5の時に学級文庫に置いてあった「リカに命をわけてください」という文庫を読んだときは衝撃を受けた。それは16歳くらいの女の子が白血病を発症して余命宣告を受けて、17歳くらいで死んでしまうという内容の手記だったんだけど、「若い死」という悲劇が美しくもあり、深く胸に刺さって号泣した覚えがある。
わたしは命というものをすごく大事なものだと、そしてそれが途中で奪われるのがものすごい理不尽なことだと、感じていたんだろうな。
う〜ん。
余命ものって常にあるから、若い子には訴求力があるんだろーなー。

若いってそれだけですごいことだけど、いま「10歳の時からもう一度やり直せるよ」って言われたとしても、たいしてスペックも高くないこの体でもっかい人生やれって言われてもなぁ〜って感じだし、はっきり言って絶対ヤダ。
(まぁまぁ小回りもきくし、丈夫でいい体だとは思うんだけどね!)

子供の頃はあんなに「死」が恐かったし自分が死ぬのも恐かったのに、いま思うとなんでかなぁ、って感じ。
まぁそれだけ自分が生きたってことなんだろうけど。

わたしのロウソクの火は半分以上燃えて、少し地面が見えているんだろうな。
自分が死ぬ、ってことを考えても心がキューっとならない。
そう考えると、自分で自分の生命保険料を算定するとして、わたしが自分につける命の値段は確実に安くなってるよね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?