十禅寺梅虎

杖と水瓶

まだ紫式部も生まれていないような昔、今でいう奈良県桜井市あたりの国の話です。領主には3人の娘がありました。長女、次女、末娘、いずれもすばらしく美しく、気立てのよ…

みなし児と弥勒菩薩

夫に先立たれた未亡人には6人の子供がいました。女手ひとつで子供たちを育てるために、彼女は馬車馬の様に働きました。昼も夜も休む間もありません。それでも、食べるもの…

河岸の歌声

かなり昔のことで、当時の人はもう誰も生きていません。私も伝え聞いた話ですので、かなり脚色されているかもしれません。 互いに知らない人はいないというほど小さな村で…

男と蛇

"法華経普門品(ふもんぼん)第25に「弘誓深如レ海(ぐぜいしんにょかい)、歴劫不思議(りゃっこうふしぎ)」とある。 観世音菩薩が、仏の道によって、生きているものすべて…

紅の袴(はかま)

越前の国(福井県)敦賀(つるが)に裕福な家があった。その家は、夫婦と一人娘の3人暮らしであったが、多くの使用人が働いていて、いつも賑わいがあった。両親は娘を大層…

女と蛇

もう一昔前になりましょうか。 紫野にある雲林院(うりんいん)で、毎年、3月21日に行われる菩提講に詣でる道すがら、大宮から西院(現在の西大路四条周辺)にさしかかるあ…