場末のディサービス（人はなかなか死なない）

何度か思い出す利用者さんがいる。

これでよかったのか・・・
いつもこれで良かったと思ったり　黙って見てれば良かった　と
思ったり　きっと私は死ぬまで　何度も思い出すと思う。

ケアマネと一緒に利用前訪問に行った。
部屋に行くと　小柄な男性利用者さんがベッドの上で座ってた。
部屋は清潔に片付けられていて、訪問ヘルパーの介護で十分間に合っているように
見えた。多分週2ぐらい入浴目的で利用になるのだろう。
ヘルパーさんが手際よく食事を配膳していく。
ん？グラスに入っているのは？と聞いてみた。
ヘルパーさんが　お酒　と返事
お酒を飲みながらの食事　おいしそう。

食事風景や利用者さんにアレルギーの事を聞いて、利用前訪問終了。ケアマネの事務所で
利用者さんについて色々話をする。

「すい臓がんなの　お酒はダメって言ってるんだけど　ヘルパーがだすの
　あのヘルパーさんがお気に入りで　交代できない。お金も全部預けていて
　電気代が払っていないの。利用者さんのお金を自由に使っているみたい
　なの　場末のディサービスを利用しながら　ヘルパーを交代し後見人を
　つけようと思う」

ケアマネが頑張って、ヘルパーも交代になり　場末のディサービスを週２
利用して　順調に生活できていたようにみえたが、体調が急変して
あっという間に亡くなられた。

ご家族も遠くに兄弟がいて、ほとんど交流がなく　ヘルパーさんを
とても頼りにされているように見えた。

あのままヘルパーさんを交代せずに、楽しみのお酒を飲みながら
毎日をすごした方が　もっと長生きできたのでは・・・・
ケアマネと会うたびに　二人で話をした。
何をすれば　よかったのか・・・
お酒はドクターストップだったけど　ずっと楽しみに飲んでたから
飲ませてあげた方が　よかったのか？

主人の父はかなりのヘビースモーカーだった。義母は煙たいと言って
禁煙を勧めていた。軽い脳梗塞を発症したこともあり禁煙ができた。
その頃から認知症状が出てきた。
80も過ぎていたので　無理に禁煙しなくても・・・

場末のディサービスの利用者さんにも　タバコ、お酒がやめられない方が
沢山いた。みんな口を揃えて

「今更、タバコをやめてどうする？80まで生きたら、もう良いやん」
「酒、飲まんかったら生きてる意味がない　風呂上がりにビールの1杯でも
　出してくれ」

何人の利用者さんから言われたことか・・・

タバコの人には　本数減らして　喫煙室で吸ってね。と言ってきた。
お酒の人は　家で飲んでねって言うと　買ってきてくれと言われた。

クーさん。年末に危ないと連絡があったけど・・・・
見事復活　　　あんなに大きな穴がお尻に開いているのに・・・

人は　なかなか死なない