Ironman 70.3 Washington Tri-Cities
1. レースに出場するに至った経緯
6年ぶりのトライアスロンに参加してきました。レースはアメリカ・ワシントン州のIronman 70.3 Washington Tri-Citiesです。
なぜ6年もあいたのかというと、2018年頃から不整脈がひどくなり、カテーテルアブレーション手術を受けたのがきっかけです。不整脈自体は手術一発でほぼ収まり、その後も自転車には乗り続けていたものの、レース活動からは完全に遠ざかりました。
また、コロナ禍には山中湖に家を買い、その環境からグラベルライドにのめり込みました。世界最大のグラベルレース、アンバウンドグラベルなどに出場するようになり、すっかりスイムやランニングはやらなくなりました。そして、漠然ともうトライアスロンは一生やらないのかな…と思ってました。
しかし、ワシントン州に住んでる娘から、州内でアイアンマンのレースがあるから出てみたら?と言われ、最初は「いやいや、絶対無理だから」と言ってましたが、このままだとほんとに一生トライアスロンに出る機会がなさそうだから出てみるか!と表題にあるレースに勢いで申し込むことに。
その後、スイムとランをやらなきゃいけないなぁと思いながらも、目先のアンバウンドグラベルの練習ばかりやっていて、スイムに至っては6月のアンバウンド後に数年ぶりに水に入る始末。これは本格的にやばいなと不安は募るばかりでした。
2. ワシントン州への出発から会場入り
それでもレースは確実にやってきます(笑)。9月19日(木)にシアトル・タコマ国際空港に向けて出発。この円安の状況で1年に2回もアメリカのレースに行くなんて、、、笑。
3年前に娘の結婚式で同じシアトル・タコマ国際空港に出かけたとき以来の羽田空港第3ターミナルです。当時はコロナ禍の真っ只中で、ガラガラな上にレストランもほぼ休業、帰国後は近くのホテルで3日間の隔離でした。もう元に戻ることはないんじゃ?とも思いましたが、賑わいが戻ってよかったです。
シアトル・タコマ国際空港には娘夫婦と2匹のゴールデンドゥードル(マッチャとリロ)が迎えにきてくれました。
そして、そのまま娘たちが住むワシントン州バトルグラウンドまで移動。バトルグラウンドはほぼオレゴン州ポートランドみたいな位置ですが、今はポートランドへの直行便がないんですよね。早く復活してほしいです。
そして娘夫婦の家に到着。最近一軒家を購入しました。閑静な住宅街でいいところです。バトルグラウンドでは軽くランニングをしたり、広大なルイスビル・リージョナル・パークで犬の散歩をしたり、美味しいメキシカンのお店、マルガリータ・ファクトリーで夕食をとったりで楽しく過ごしました。
そして、レース前日の9月21日にトライシティーズに入りました。なんだかトライアスロンと関係がありそうな地名ですが、実は全然関係なくて、リッチランド、ケニウィック、パスコの3市を総称する都市圏のことです。Wikipediaでは「トリシティズ」なんて書いてありますが、「トライシティーズ」と発音します。
トライシティーズは、同じワシントン州でも、バトルグラウンドからは300km以上離れているので、ちょっとした旅行になります。
まずは南下してコロンビア川をオレゴン州側に渡り、川の南岸を東に移動するのですが、道中の雄大な景色は素晴らしかったです。ちなみに、海外からはアクセスが必ずしも良くない地理ということもあり、日本人参加者は今回のレースで自分1人だけでした。
そして、リッチランドのコロンビア・ポイント・マリーナパーク(トランジッションとフィニッシュ会場)でアスリートチェックイン(受付)とバイクチェックインを済ませました。
ホテルは隣のケニウィック。と言っても会場まで車で10分ちょいで、アスリートもたくさん泊まっていました。カンザスでも複数泊で使ったスーパー8系列の安ホテルですが、まずまずだったかな。ゆっくりできました。また、ターゲット(スーパーマーケット)も近くにあって便利でした。
3. レースデイ
ⅰ. 起床からレース準備
レース前夜は午後9時頃には早々に就寝して、9月22日の朝は午前3時に起床して冷食のパスタとウイダーのゼリーで朝食。トライアスロンはエイドが充実しているのと、スイムスタート時にお腹に残っているのが嫌なので少なめです。なお、会場でのレース準備中にもジェルやゼリーはとりました。
また、この地域のこの時期、朝は寒くて気温10℃以下ですが、昼は28℃くらいまで上がる予報なので、水には濃縮イオン均衡液のアライバルを投入して脱水対策をしました。バイクパートの前半はアライバル入りの水だけで足りました。
レース当日、会場周辺は一般車進入禁止で、レース会場へはリッチランド市役所横の広大な駐車場からシャトルバスに乗ります。会場までの所要時間は8分ほど。シャトルバスは近隣のスクールバスが総出で走り回ってる感じ(笑)。
会場ではトランジッションエリアでバイクのセッティング。何度やっても緊張する嫌な時間ですね。忘れ物がないよう、慎重にやりました。
ⅱ. スイム
スイム1.9kmはコロンビア川を泳ぐワンウェイで、スタート地点までは川沿いのランコースになる遊歩道を歩いて移動します。
正直全然泳げる自信がなかったので、かなり遠慮がちなスタート位置から出ました(ローリングスタートなので、スタート位置はタイムには関係なしです)。実際途中からはかなりメロメロでしたが、軽く追いの流れもあり、24分39秒でスイムフィニッシュ。ちゃんと泳がないとダメだな、、
ⅲ. バイク
さて、唯一ちゃんと練習をしているバイクの始まりです。90kmのコースは平坦な区間が多いですが、時々10%を超える激坂や、長大なローリングヒルが現れるコース、きつかったですが、景色も素晴らしく楽しめました。やはりTTバイクは速いですね。バイクはスペシャライズドのSHIV DISCです。
タイヤはパナレーサーアジリストFAST TLRの25C(体重76kgで4.5気圧)を使いましたが、ガチガチに固いTTバイクのフレームでも、しなやかにショックを吸収してくれて、長距離でも疲労度が軽減されるように感じました。また、高速のコーナーが多かったですが、グリップ力が高いので安心できました。あと、ほんと回転が軽くてスピードに乗ります!
シューズはLAKE CX333。LAKEの最新のロードバイクシューズです。今回はトライアスロンということもあり、素足での使用でしたが、カンガルーの本革がしっかり足を包み込むようにフィットしてとても快適で、かつパワーロスも少ないと思います。
ということで、LAKEの本革シューズ、ロングのトライアスロンにはとてもよいと思います。国内ではキルシュベルクが全国を回って試着会を開催しているので、実際履いて試してみるといいかなと思います! なお、本革ではありますが、メンテナンスはさほど神経質にならなくても大丈夫で、通常の靴クリームなどを塗っておけば問題なく長持ちします。
トラブル等もなく、順調に2時間40分45秒でバイク終了。平均185W(NP: 207 W)で、昔(アイアンマンの180kmでも平均200Wを超えてました)に比べたら値は低いけど、今ある力は十分に出せたのかなと思います。
ⅳ. ラン
最後に問題の21kmのラン。冬場はトレランをよくやってたけど、ロードランニングはほんとに不足していて、しかもスピード練習は皆無。さらに左のふくらはぎに違和感があり、どうなることかと思いながら走り始めました。
あえてラップタイムは見ないで、21キロを走りきれそうなペースを維持することに専念しました。あとは、エイド以外では歩かないこと。
前半はエイドが絡むラップ以外は5分10秒台。昔は4分そこそこで最後まで押し切れたことを考えるとがっかりな感じだけど、現実は現実。今の状態からはよく走れたと思います。
コースはコロンビア川沿いを行って帰ってくる往復コースです(ただし、往復でコースが別の区間もそれなりにあり)。
11キロあたりで折り返して復路に入るとかなり脚に疲れを感じ始めましたが、歩くことだけはせず、とにかくなるべくペースを落とさないように粘り続けました。そしてエイドではしっかりと補給。
復路の終盤にスイムスタート横を通過するわけですが、そこからが長い長い…よくこんな距離を泳いだなと思いました(笑)。なんとか耐え凌いでフィニッシュへ。ランラップは1時間56分10秒。
トータルは5時間09分32秒。70.3の自己ベストの4時間17分からすると、なんとも残念なようにも思えますが、コースが違うし、年代別でもそこそこの順位(18位)だし、なんだかすごく満足感に満ちたレースでした。そして楽しかった!
ⅴ. レース後
今回は、現地まで同行してくれた娘夫婦と、ゴールデンドゥードル2匹の応援&サポートがとても心強く、また幸せでした。いつも一人でトライアスロンのレースに遠征してましたが、こういうのもいいですね。
今後のトライアスロンは全く未定で、ひとまずはまたグラベルレースを目標にすることになると思います。またいつか、もしモチベーションが高まったらトライアスロンに挑戦することもあるかもしれません。
レース後はリッチランドの Moonshot Brewing Pub at the Park でしっかりと補給。自分は運転しないのでビールもいただきました。
そして、その日のうちにバトルグラウンドに移動し、1日ゆっくりしてから帰国。本当に充実したいい旅になりました。