見出し画像

「涙の女王」に乗っかれない悲しさ

涙の女王。涙のクイーン。

物語の構成、俳優、映像の美しさ、作り込みの巧みさ、台本どれをとっても素晴らしい!

韓国ドラマに欠かせない水没シーンや交通事故、養護施設に自○、復讐というベタなネタを盛り込みつつも、あーハイハイいつものやつね。と思わせないクオリティーには脱帽。

登場人物たちそれぞれの物語を折り込みつつも、16話にきれいにみごとに収めたものだ!とそれまた拍手。

これは凄いドラマだ!!
一度は見たほうがいい!!

とオススメしたい。

と思うのだけれど、物語の軸である主人公2人の愛の物語だけがどうにも早送りしてしまう。感情移入が私には実に難しかった。

財閥のお嬢様と、イケメンで文武両道のスーパーハイスペック男子との物語。

その前提だけで、すでに感情移入か難しい。

難題が降りかかる度に、ハイスペ男子が超人的な脳と身体能力で何だか良くわからないけど解決しちゃうし、余命僅かと言われたお嬢様の体調不良具合は記憶が途切れる、倒れるぐらいで収まっているけど、ほんとかい?

本来なら、めまい、吐き気に襲われ過ぎて、痩せて立てないぐらい辛いんではないだろうか。と勝手に妄想しまうのだが、彼女はずっと美しいままだ。

しまいには手術できてしまい、しかも、術後、全く頭皮に異常なし。いくら最先端医療でも、すこしハゲが出来る程度は毛を剃るのでは…
しかも、術前に手術を受ける受けないで散々苦しんだ後遺症なのだが、術後はその後遺症に関しては案外、本人はひょうひょうとしている辺りが、ん?タフ過ぎ?

ハイスペ男子に至っては、加速してくる車に正面から吹き飛ばされたはずなのに、同日に病院から抜け出し、雪の中を走りながらお嬢様を助けに行くというスーパーヒーローっぷり。その後、銃弾を食らうというのに、あっさり回復して、法定に戻って勝訴。

35歳にもなれば、リハビリ必須な上に身体の不具合も多少は残るだろうに。

いえ、細かい事はどうでもいいんです。いいんですけど、周りの人たちの物語がとても人間臭くて良い感じなのに、主人公の2人の物語だけが、「おいおい」と、つっこみたくなるぐらいファンダジーだらけ。

2人はその後、中々に長生きされた模様。お金のない庶民なら、最先端医療は受けられず、とっくに先立つ事になっていただろうに。

命の長さもお金ですか…

と白けてしまう自分が悲しい。
ドラマを見るには歳を取りすぎたのでしようか…

結局金かい〜!!と叫びなからも、悔しいけど多分、もう1回は見ちゃう自分もちょっと嫌。2回目は違う気づきがありそうな気がして…。

ああ、不本意ながらも再生回数に貢献してしまいそうだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?