「グラグラの森の物語 2」
「グラグラの森」は動物たちの楽園。森のはずれにあるBAR「チャイニーズキャップ」は彼らの憩いの場です。今宵は金曜の晩。チンパンジーの歌い手の演奏に、なじみの客のゴリラがグラスを傾けつつ酔いしれています。
第2回 サル ~カモン・テキ・イージー~
『ラララララララ・アイアマ・エイプマン♪ ご静聴ありがとう。おやすみ』
-(拍手)-
「ウルフ。1杯おごるから、もう1曲歌ってくれよ」
『ありがとう、アパッチ。でも今夜はこのくらいにしといたらどうだ?さすがに少し飲みすぎだぜ』
「ウルフ。もう1曲だ」
『分かったよ。それでは、最後にもう一曲だけ。曲はモンキーズのデイドリーム・ビリーバー』
-(拍手)-
「ウルフ。染みたよ。骨身に染みた。そろそろ仕事に出かけるよ」
『気を付けてな、アパッチ。君もいい年だ、いいかげん足を洗うべきだぜ。そんな物騒な仕事からはさ』
「ウルフ。お前は楽器が達者だろう。歌もピアノも一級品、イカしたブルースギターだって弾けちまう。でもな、俺に弾けるのはこいつくらいなもんなのさ。」
そう言ってゴリラはライフルを肩に掛けると、夜更けの森へと去っていきました。今夜は絶好の密猟日和です。
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