健忘症の恐怖
健忘症というのは記憶障害の一つで、物忘れが生活の支障を来す程度までヒドイもので、笑い話で済まされる状況とは違うそうだ。いわゆる病的に、スッパリと忘れて思い出せない。その忘れたことを自分自身で認知して、何を忘れたのかを思い出せないのが健忘症というそうだ。
認知症は、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症と、症例は少ないようだが前頭側頭葉変性症など、脳の器質によって起きる。さらに周囲のスティグマ、対応のまずさから精神障害まで併せて発症すると、さらに難しくなる。認知症の患者にとって、何を忘れたのかも分からなくなり、混乱を来すようだ。
2年前の夏の、軽い熱中症になりとつぜん記憶が出来なくなった。今まで普通に記憶が出来ていたのに、まさに突然プッツンと出来なくなった。
直ぐに掛かり付け医の所に行き、症状を言ったが、あまり信じてもらえずに、簡易検査を行った。この検査では全く問題が無しとなった。
内容は最初に4つの単語「自転車・リンゴ・ヘリコプター・梅の木」だったかな、それを覚えておくように言われ、あとは年齢・今日の年月日・野菜の名前20種類・果物の名前20種類・100から7を4回続けて引く暗算・7つの物を数秒見て隠し当てる・最後に最初に覚えた4つの単語を言う。全て完璧に出来た。でも記憶障害は治らない。
その後もほぼ同じ検査を1回、さらに運動を交えた認知症検査、形を書いたり文章を書いたりという、合計4回の認知症検査を行い、すべて問題なしとなった。特に最後の検査は30問全て間違いがなく、全く問題はないと言われた。それでも確かに記憶障害や健忘症が起きてる。
人それぞれ記憶の仕方が違うとも言われた。自分の場合は、罫線のない白い紙に物を書くと、そのまま写真のように覚える。本を読む時には、ところどころ線を引く。その価値で記憶して、その覚えた単語から記憶を思い出す。
ところが、紙に書いた物が頭の中に出てこなくなった。認知症検査のような単体の単語まとまった中での単語まとまった中での単語が思い出せないのだ。
例えば
土壌や水中に存在して、かつて冷却塔の冷却水を循環させて濃縮し、米軍の中に感染症を起こし死亡者まで出した。日本では温泉施設で肺炎を起こした。バクテリアのバイオフィルム内で増殖し、配管中に固まり(その塊の名前も出ない)を作り、肺炎を起こす、その細菌は・・・が、出てこない。
「レジオネラ属菌」と出ればそれで先に進めるのに、その単語が出ないために、余計な説明ばかりして、説明が出来ない。「イデユコゴメ」をユメミゴコチと言ってしまい、間違えたことさえ分からない。
この健忘症は怖いもので、本を読んでて新しい単語が出て、意味と単語を覚えたはずなのに、読み進むとそれを忘れて元に戻らなければならない。2年前からあまり本を読まなくなった。小説のようなものなら良いのだが、専門書などに関しては、アルファベットの略語やカタカナ語が多く、しだいに読むのが面倒になってきた。
読むのが面倒になり、人と話していても単語が出てこない。しかも今のコロナ禍で、離れた親戚などとも会わなくなった。昨年は冠動脈狭窄、動作生狭心症でステント治療のために2回も入院した。その入院でさえ、コロナの危険から家族でさえ簡単に面会できなかった。
一人暮らしは楽で良い。人との付き合いも無くなれば、自由気ままに好き勝手に生きられる。なのに健忘症になると、思い通りに思い出せなくてイライラしてくる。実は、このNOTEを始めてみたのも、記憶障害の自分ながらの治療のつもりで行ってるのだが・・・やはり思い通りに言葉が出てこない。
最後の家族であった、猫が死んでしまったことで、猫を相手の会話も無くなった。外界との付き合いが煩わしくなり、会話も面倒になる。たかが猫一匹でも、話すことが無くなると、面白いほど何も考えなくなり、記憶の障害、健忘症は酷くなっていくようだ。
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