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ローガイの研究

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高齢者はノロマで臭くてワガママで、年金や医療費で現役世代の荷物であり、残り時間を無駄に消費してるだけの生き物だ。などと老人を嫌っていた。そろそろ後期高齢者になる歳になって、やっと… もっと読む
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2023年12月の記事一覧

バックしてるのに

美しき夫婦愛か、単なる「老害」か、1ヶ月くらい前の平日の午後での出来事。場所は太田市のジョイフル本田の広大な駐車場内。充分な空きが有ったのに、建物に近い所の場所取りで突然現れた無礼な婆さん。 あまりにも腹が立ち、次回もこういう事が有れば、今度は轢き殺しても良いかな、などと思えた出来事だった。書いてはみたものの、余りに下らない事で、そのままにしておいた。 夕べ録画しておいた「秋刀魚の味」を観て、最後は一人になる、という言葉が妙に刺さってしまい、社会悪と言うべき存在のローガイ

老人の体力の低下速度

いつだったか、京都大学数学科の有名な先生が、ご自身の寿命を計算した。ほぼ計算どおりに亡くなられたと聞いた。退官後は独特の筆致で随筆などを書かれて、とても面白い先生であった。 計算の方法を聞いてみたいと思いながらも、そのお話をされた先生とも、その後ついぞ伺う機会を得られなかった。「ぼくも自分の寿命を計算してみたい」というようなことを、講演か何かの折におっしゃっておられたが、果たして計算をされたのだろうか。 70歳を超えて数年間は普通だったが、最近は急激な体力の衰えを感じる。

高齢者のローガイ運転

開店したばかりの大型スーパーマーケットに行ってきた。 中に休憩場所、フードコーナーがある。そこでの会話が・・・何とも。 ブレーキとアクセルの踏み間違いが多くて困るそうだ。それは、困るで済まされないことだと思うが。あくまでも自動車の作りに問題があるように言ってるが、それ言う前に免許返納ではないか。踏み間違い自慢を、大きな声で楽しそうに話題にしてることがおかしい。 一昨年「高齢者講習」を受けてきた。5人ずつのグループで、2組が一緒に行動した。なんと休憩中の会話の中、10人中3

調理の色とこだわり

独居老人になると、偏食から栄養失調になってボケてしまうよ、などと悪態をつくのがいる。まったくもう、言ってる本人は外食や調理済み総菜を買うことが多いのに。 子供の頃から病弱で、その原因すら分からず、何度も父の軍医時代の同僚が勤務していた、上野駅近くの大病院に行った。ウッスラと残る記憶では、とてつもなく大きな建物の病院だった。当時としては、日本の最高峰の先進的検査だったそうだが、結果としては原因が分からなかった。 今で言うIQ、知能検査まで受けた。形を数字に変えたり、重なった

物や言葉に惑わされない

ノンビリした老後で羨ましい、好きなことが出来て良いねえ、そんな事を良く言われる。1ヶ月か2ヶ月に1回は2泊程度の旅行に出かけ、温泉地を歩いてくる。今は保護猫2匹が家族に加わり、しばらくは1泊で我慢だが。片道2時間も掛けて温泉地の図書館や、小さな村の資料館にも行き、帰りは日帰り温泉を楽しむ。いかにも優雅な独居老人に見えるようだ。 63歳の時に妻を喪い、10年も経つと様々な煩いから離れ、一人暮らしにも慣れてくると、孤独もまた良いものだと思えてくる。何よりも自由で、行動も時間の使

抗うは醜し

いつもと違うルートの散歩道に、小径にベンチが2基備え付けられている。 ベンチの座面は木製だから、10年以上も経てば朽ちてくる。使用には耐えないだろうが、この朽ちていく様が何とも美しく見えてしまう。 利用するベンチでは無く、自然の流れ、時の移ろいというものが、長い時間の変化というものが、ベンチの朽ちる姿から見て取れて、なんとも「もののあわれ」を想われる。 2基のベンチ、手前のは銀の塗料が塗ってある。一見、濡れたように見えるが、水を弾いて乾きが早いらしい。朝露の冷たさはあるが

古典で暇つぶし

古書店で、わずか1,000円で『新日本古典文学大系 方丈記 徒然草』が手に入った。けっこうくたびれた様子なので、遠慮なく線引きや思いつきなど、書き込みも出来そうだ。 最近、学ぼうという意欲がなくなり、むしろ書くという行為で吐き出したくなる。少しばかり長生きが過ぎたようで、いろんな事を見過ぎたようだ。見るだけではなく「万事休す」、煮て喰おうと焼いて喰おうと、後は好きにしろ。そういう場面を何度も経験してきた。よくぞ今まで生き抜いたと感心する。 さて、迷うことの多い老後の余生だ